Intelが、CPUと内蔵GPUの消費電力、動作クロック、温度が測定できるアプリケーション、Intel Power Gadgetを以下のサイトで配布しています。
Intel® Power Gadget is a software-based power estimation tool enabled for 2nd Generation Intel® Core™ processors or newer. It provides real-time processor package power information in watts using energy counters. Intel® Power Gadget - Intel |
実際のMacintosh以外のハードウェアでmacOSを動かす場合、ハードウェア構成がOSに正しく伝えることが重要です。ハードウェア構成が正しく伝っていないと、ハードウェアを効果的に、効率的に動かすことができません。今のCPUは省電力のために様々な仕組みを提供しています。多くのCPUは基本的な省電力機能として、負荷が小さい時には動作クロック周波数を下げて省電力を図り、負荷が大きい場合には、動作クロック周波数を上げて処理能力を向上させる機能を持っています。Intel Power Gadgetは、消費電力、クロック周波数、温度をモニターできるので、macOSがCPUの電力制御機能を利用できているかどうか、確認することができます。
macOS 10.13をインストールしたCore i5-4250U搭載NUCで動かした様子を上に示します。上から、
- Power(消費電力):大きい値がCPU全体、IAがコアの消費電力
- Frequency(動作周波数):IAがCPUコアの、GTが内蔵GPUのクロック周波数
- Temperature(温度):CPUパッケージの温度
です。Core i5-4250UはMacBook Air Mid 2013にも搭載されているCPUで、モバイル用の低消費電力モデルです。仕様によるとTDBが15Wです。なので15Wのところに線が引かれているのだと思います。ベース周波数が1.3GHz, ターボブースト最大が2.6GHzだそうで、だいたいその間でクロック数が変動していることがわかります。グラフィックスは、ベース周波数が200MHz, 最大が1GHzだそうです。ベース周波数でだいたい動いていることがわかります。コンピュータを操作をしたり、逆に放置したりすると、周波数や消費電力が変動します。実際のMacBook Airと同じような動作をしていますので、macOSがCPUの電力制御を正しく行えていると判断できます。
補足:High Sierraへのインストール
High Sierraから、署名されたkextに対しても確認が必要になったようです。クリーンインストールしたシステムにIntel Power Gadgetをインストールすると、下のようなダイアログが出ます。「システム環境設定・セキュリティとプライバシー」から許可をすると動くようになります。