拡張性の高いMac Proが6年ぶりに復活しました。PCIeスロットがなんと8本も装備されているようです。昔ながらのMac Proが復活したことはHackintoshにとっても嬉しいニュースです。
The all-new Mac Pro. Redesigned for extreme performance, expansion, and configurability, it’s a system for pros to push the limits of what is possible. Mac Pro - Apple |
Table of Contents
PCIeスロットが復活
スロットは復活しないか、復活したとしても独自仕様になるのではと心配していました。なので標準規格のPCIeスロットが復活してよかったです。しかも4本しかなかった2012 Mac Proよりも本数が増えて8本もあります。太古のMacintosh IIですら6本でしたので、Mac史上最強の拡張性を誇ります。8本のうち4本は通常の倍の幅のカード用なので、標準PCIeの12本分のマザーボード領域が拡張スロットのために使用されています。ATX規格(最大7本)よりもはるかに拡張性があります。拡張性のなくなったゴミ箱Mac Proが不評だったことの反動ですね。これでmacOS対応のPCIeカードが、昔のように色々な会社から販売される可能性が高まりました。Hackintoshで使えるカードが増えるはずです。
ケースの形も期待以上
新型は、昔のタワー型Mac Proから、光学ドライブと3.5インチベイを取り外して、拡張スロットを増やしたような形状です。なので全体の大きさも重量もそれほど変わりません。(旧型が51.1 x 20.6 x 47.5 cm 18.1 kgに対して新型は52.9 x 21.8 x 45.0 cm 18.0 kg)穴だらけの外観は賛否両論あるようですが、昔のMac Proと同様に開けやすくてメンテナンス性の高い設計は好感が持てます。
昔のタワー型Mac Proにも取手と足がついていましたが、あまり実用的ではありませんでした。握ろうとすると角が立っていて手が痛かったです。アルミ板を曲げた構造だったので、見た目より華奢で、足の部分が変形しやすかったです。2019モデルの取っ手と足はステンレス丸棒らしく、頑丈で持ちやすそうです。キャスターも取り付けられるようです。ケースデザインはMac Proモデルの中で一番良いかもしれません。目ざといPCケースメーカーから、これを真似た構造のケースがすぐに発売されそうで楽しみです。Mac ProみたいなHackintoshが作れるようになると思います。
Hackintoshする必要性
この暗黒の6年間は、拡張性のあるMac製品が不在でした。なので拡張性のあるMacが必要なら、Hackintoshしか選択肢がありませんでした。その状況が6年前に戻り、拡張性のある最高グレードのハードウェアが欲しい場合には、再びアップル製品を買うことができるようになりました。なのでHackintoshの必要性は下がったと思います。ただ6年前と同様に、「Mac ProとMac miniの中間の性能でディスプレイ無しのデスクトップMacが欲しい」という要望にはHackintoshしか応えられません。デスクトップマシンとして一番需要のあるプロダクトラインが不在なのは以前と同じです。価格帯で見ても、miniが9万円からですが、新Proは5,999ドルからと、その間にかなりギャップがあります。この中間なら支払えるので、この中間の性能のデスクトップが欲しいというユーザは多いと思います。
搭載パーツとHackintosh
新Mac ProのCPUは公表されているコア数、クロック数などの仕様から、
- Intel Xeon W3223
- Intel Xeon W3235
- Intel Xeon W3245
- Intel Xeon W3265M
- Intel Xeon W3275M
だと思われます。価格は749ドルから7,453ドルだそうです。これらのCPUを使ってのHackintoshは可能だと思われますが、今まで同様、メインストリームのCPUを使うより設定は大変だと思います。
グラフィックスカードは、AMD Radeon Pro 580X、AMD Radeon Pro Vega IIとのことです。どちらも新しいGPUのようですが、前者はiMac 2019にも搭載されています。後者はVega 20をベースにしたGPUらしいです。今までも、AMDはApple用に特別バージョンのGPUを提供していて、どれもProという名前が付いています。無印のオリジナルのモデルに比べてPro版は、Macの小さな筐体に合わせて少しクロックを落として発生熱量を下げているようです。何れにしてもRadeon RX 580やVegaがmacOSと相性が良い現場は変わらないと思います。新Mac Proは一番安いモデルでも5,999ドルだそうです。おそらく8コア12スレッドのXeon W3223とRadeon Pro 580Xが搭載されるのだと思います。i9 9900KとRX 580で組めば1/4くらいの価格で同程度の性能が手に入りそうです。
新Mac ProではT2チップが搭載されました。iMac 2019では搭載されなかったので、デスクトップではT2を使わないのかもという観測がありましたが、違っていたようです。もしもT2チップがハードウェアへのアクセスや拡張性を監視するようになると、Hackintoshに影響が出るかもしれません。でも先のことなので心配しても仕方ないでしょう。