寒いですね。寒いのでオイルヒーターをつけようとしたのですが、キロワット級の電力を熱に変えるのなら、目の前にある自作PCにやってもらおうと思いつきました。ついでに仮想通貨を採掘すれば電気代の節約にもなります。そこでHackintosh でマイニングしてみました。なお、マイニングは全くの初心者ですので、いい加減なことを書いていると思います。ご容赦ください。
色々検索したところ、 MinerGate.comというところに行けば簡単に採掘を始められると書いてありました。
Hackintoshのtonymacx86.comみたいなところでしょうか。メールアドレスでアカウントを作って、パスワードを作って、採掘ツールをダウンロードします。意外だったことに採掘ツールにはmacOS版もあるのですね。検索したところ、macOSで採掘したという人もたくさんいました。
ということで当然ながらmacOS版の採掘ツールをダウンロードしました。採掘ツールは、こんなアイコンのMinerGate.appというアプリケーションです。
起動すると、今一番レートの良いお薦めの通貨の採掘ページが出ます。いまはMonero(通貨単位はXMR)というのがお薦めのようです。CPUマイニングのボタンを押すと、早速開始します。コア数を、いくつ使用するかを決めることもできます。4790Kの全8コア総出の設定で動かしたところ、180 H/s (ハッシュ毎秒)程度でした。
聞いたことのあるEthereumという通貨(単位はETH)を試してみたら650kH/s程度でした。
CPUマイニングボタンの隣にはGPUマイニングのボタンもあります。しかし残念ながらmac版ではサポートされてないようです。強力なグラボを何枚も搭載できるHackintosh なら是非ともGPUマイニングを試したいところです。
EthereumのGPU採掘を行うツールは多数開発されていて、ほんの一部ではmacOSでも動くようです。MinerGate.comのこのページでリンクが案内されています。
また、上で紹介されているethminerというツールをmacOSで使うにあたっての簡潔な使い方説明が、以下にあります。
このサイトで紹介されている下記のサイトからetherminerのバイナリをダウンロードしてみました。
グラフィックスカードが認識されているかどうかは、以下のオプションで確認できます。
$ ./ethminer -G --list-devices
OpenCLではなくてNVIDIAのCUDAを使う場合は、-Gのところを-Uにするようですが、上記のサイトからリンクされているバイナリーはCUDAに対応していないようです。コンパイルのオプションで対応できるようなので、ソースからコンパイルすれば可能なのかもしれません。
その結果、手元のマシンでは、搭載しているAMD Radeon RX 580と、Haswell CPUの内蔵GPUが表示されました。RX 580はメモリーサイズなども正しく認識されているようですが、Intel HD GraphicsはなぜかIris Proになっています。
Listing OpenCL devices.
FORMAT: [platformID] [deviceID] deviceName
[0] [0] AMD Radeon RX 580 Compute Engine
CL_DEVICE_TYPE: GPU
CL_DEVICE_GLOBAL_MEM_SIZE: 8589934592
CL_DEVICE_MAX_MEM_ALLOC_SIZE: 2147483648
CL_DEVICE_MAX_WORK_GROUP_SIZE: 256
[0] [1] Iris Pro
CL_DEVICE_TYPE: GPU
CL_DEVICE_GLOBAL_MEM_SIZE: 1610612736
CL_DEVICE_MAX_MEM_ALLOC_SIZE: 402653184
CL_DEVICE_MAX_WORK_GROUP_SIZE: 512
採掘を行うためのコマンドオプションも上記のページで紹介されています。以下は、登録したeメールアドレスが例えばsiroanko@icloud.comの場合の例です。$ ./ethminer -G -S eth.pool.minergate.com:45791 -O siroanko@icloud.com
結果は以下のようになりました。4.3MH/sくらい出ているようです。4790KによるCPUマイニングに比べるとRX 580によるGPUは7倍くらいの性能が出るようです。
さて4.3MH/sというのが、いくらくらいの収益になるのか気になるところです。以下のサイトで、調べることができます。
それによると4.3MH/sで採掘すると1ヶ月あたり$14.6の収益のようです。電気代を1kWhあたり$0.2とした場合、200Wの電力を1ヶ月消費すると$28.8のようです。なので、稼ぐ金額の倍の電力を使ってしまう計算になります。
でも、Hackintoshをオイルヒータの代わりに使うと、同じ暖かさを得るのに半分の電力で済むという計算です。これはすごいのではないでしょうか。
おまけ
このハードウェア構成で、信者としてはあまり動かしたくないWindowsを起動して、Windows版のMinerGateアプリを動かしてみました。GPUマイニングは10.6MH/s程度でした。CPUはあまり変わりません。GPUの利用に関してはWindowsのアプリの方が最適化されているようです。この性能なら、先ほどの電気代がかかっても月に$7くらいのギリギリの黒字になります。電気代がゼロもしくはマイナスで、暖房できるのはやはり凄いです。
本気編に続きます。
前回は、寒いから暖を取ろうといういい加減な動機で仮想通貨のマイニングに手を出してみました。 でも性能はイマイチ… Hackintoshでマイニング(本気編) - Boot macOS |