Cloverの起動画面には、起動選択項目がアイコンで並んでいます。この項目に、選んでも何もおきない項目が現れることがあります。その理由と、不要な起動項目を消す方法を書いておきます。
Boot macOS Install from xxxの項目を消す
macOSのインストールの過程でこの項目が出るようになります。
正常にインストールが終了するとこの項目は自動的に消えるのですが、何かの手違いがあると残ってしまいます。インストール途中だと判断されてこれがデフォルトで選択されてしまうこともあります。また、次に上書きインストールをすると、これが多数現れることになり、どれが本物か分からなくなります。 ターミナルから以下のようにタイプすると消えます。
sudo rm -R /Volumes/xxx/.IABootFiles
.IABootFilesは.で始まる隠しディレクトリなので、ls -aじゃないと見つかりません。このディレクトリの中のcom.apple.Boot.plistを見るとインストールのために使用するInstallESD.dmgとかBaseSystem.dmgへのパスが書いてあります。大昔にインストールした名残だとすると、その場所にはもう無いので当然のことながら起動に失敗します。
Boot macOS install from xxx – Dataの項目を消す
Catalinaからメインの起動ボリュームが2個の論理ボリュームに分割されて、xxx – Dataというボリュームが追加されました。xxxはMacintosh HDのような起動ボリューム名です。- Dataの方には、変更できる内容が、従来の- Dataが付かない方には書き換えては困るシステムのデータが入っています。
この方式では、インストール用のデータはxxx – Dataの方にはいるようで、インストールに失敗するとBoot macOS install from xxx – Dataという項目が居残ってしまいます。これの消去方法をコメントでSuperBypassさんから教えていただきましたので以下に追記しておきます。つまり、/System/Volumes/Dataの中にmacOS Install Dataというディレクトリがあるので、これを消去すれば良いようです。こちらが参考になるそうです。
Try searching for "mac OS Install Data" instead of OS like the original post. I was trying to fix some issues with my 10.15.1 build and while I couldn't find an IABoot folders, I was able to find & delete that folder. This is before testing so I'll check back in sec.EditIt worked. [Guide] How to remove 'Boot OS X install from partition' from Clove... - tonymacx86.com |
ただ、この中にあるLocked FilesというディレクトリがSIPでアクセス禁止されていますので、SIPを解除して、sudoで/System/Volumes/Data/macOS Install Dataを消去します。
xxx from Prebootの項目を消す
こちらは単なる見た目の問題です。
APFSになってから、Recoveryに加えて、Prebootというパーティションが起動項目に新たに加わって煩雑になりました。下の例は、メインのSSDに加えて、バックアップ用のHDDを接続したマシンのClover起動画面です。SSDにはAPFSフォーマットでMacintosh SSDというパーティションが作ってあり、High Sierraがインストールされています。メインのSSDに関係する起動選択肢は右の4個です。
4個の起動項目には、以下の名前が付いています。
- Boot FileVault Prebooter from Preboot
- Boot macOS Installer Prebooter from Preboot
- Boot macOS from Macintosh SSD
- Boot Recovery from Recovery
APFSになってから、Recoveryに加えて、Prebootという選択肢が起動項目に新たに加わって煩雑になりました。
追記:最近、FileVault関係の起動メニューは現れていません。CloverのFileVault関連のEFIドライバを入れないことにしているのが関係しているかもしれません(2018/12/15)
diskutil listコマンドでこのSSDを見ると次のようになっています。
/dev/disk1 (synthesized): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: APFS Container Scheme - +500.0 GB disk1 Physical Store disk0s2 1: APFS Volume Macintosh SSD 331.6 GB disk1s1 2: APFS Volume Preboot 46.0 MB disk1s2 3: APFS Volume Recovery 517.0 MB disk1s3 4: APFS Volume VM 20.5 KB disk1s4
PrebootというAPFSボリュームができているようです。APFSボリュームは、物理的なボリュームではなく、APFSコンテナの中に作られた仮想的なボリュームで、それぞれが記憶領域を共有していて追加・削除が簡単です。
HFS+から大幅刷新されたAPFS (Apple File System)には色々便利な機能があります。今回は、Hackintoshライフに役立つAPFS Volume機能をご紹介します。(更新:Catalinaのことを追記しました。2020/3/3)HFS+のVolumeHFS+でもAPFSでも、アプリケーションから見えるのは最終的にVolumeです。Volumeは物理的にはストレージの一部なのですが、アプリケーションからは/Volumes/以下にマウントされ、ディレクトリのように見えます。物理的なストレージからVolumeに至る階層構造を以下にまとめます。HFS+では、 物理的なドライブ。物理的なSSD... APFSのVolumeを活用する - Boot macOS |
PrebootというAPFSボリュームは起動時の作業に使用するボリュームのようです。Prebootの名前のついた起動メニューを選択して起動しても、結局は本体のシステムが起動するようです。選択肢に表示される意味がないので、非表示にしてみましょう。
使わない起動選択肢を非表示にして、起動画面をスッキリさせることは、config.plistの記述で簡単に行えます。config.plistのGUIセクションに、Hideというキーを用意して、
<key>GUI</key> <dict> <key>Hide</key> <array> <string>Preboot</string> </array>
とすれば、Prebootボリュームに含まれる起動オプションは表示されなくなります。(1項目だけなのでarrayにする必要はないかもしれませんが、サンプルがarrayでしたし、将来増やしたいときのためにarrayにしておきました。) 結果がこれです。
必要な選択肢だけが表示されるようになりました。他にも表示から外したい選択肢があったらconfig.plistのHideの項に<string></string>で挟んで追記していけば良いです。Hideの項で消してしまった項目を選択したくなった場合は、Clover選択画面でF3キーを押します。隠されたボリュームも表示されるようになります。
更新:Prebootボリュームを削除する手法を削除しました。(2018/12/15)