macOS Monterey 12.0.1が配布されたので、Big Surからアップデートしました。最新版のOpenCore (0.7.4) とkext類でBig Surが動いていれば、通常の作業でアップデートできるようです。ここではクリーンインストールしました。
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作業に使ったシステム構成
本日 (日本時間2021/10/26)、macOS Monterey 12.0.1 が正式配布されました。Big Surが配布されたのは去年11月13日でしたのでそれより早く、過去のスケジュールに少し戻りました。Big Surの最初のバージョンが11.0.1だったのと同様、Montereyも12.0.1が最初の配布バージョンになりました。インストール先のマシンは、以下で、Z590マザーボードに10900Kを搭載しています。グラフィックスはRadeon RX 5700XTです。ブートローダはOpenCore 0.7.4でkext類は最新にしてあります。
ASRock Z590 ExtremeにComet Lake-S 10900Kを取り付けてmacOS Big Surを起動させました。今まで1900KはZ490で動かしていたのですが、なんとZ490のEFIのままでZ590でもログイン画面まで到達しました。課題はありますが一応の動作をしたのでご報告します。(更新:有線LANがどちらも動くようになりました 2021/3/29)Z590マザーボード第10世代CPUの10900Kを、今までASUSのZ490 Micro ATXマザーボードで動かしていました。計画変更でこれを通常ATXのマザーボードにしたかったのですが、今更Z490を買うのもつまらないので、いっそZ590のマザ... ASRock Z590マザーボードでmacOSを起動する - Boot macOS |
現在インストールされているmacOSはBig Sur 11.6 (20G165)です。、起動ドライブはWDの1TB M.2 SSD, WDS100T2B0Cです。
アップデートの手順
上書きインストールすれば楽なのですが、せっかくの年に一度のメジャーアップデートです。現在のBig Sur起動ディスクであるM.2 SSDの内容を綺麗さっぱりと全消去して、クリーンインストールしようと思います。実は、ホームディレクトリは別ドライブに作ってあるので、起動M.2 SSDを消去してもそれほど面倒なことにはならないと考えました。そこで次の手順でアップデートを進めます。
- Montereyインストーラをダウンロードする
- USBメモリを用意してMontereyインストールUSBを作る
- USBメモリのESPに現在のESPをコピーして起動できるようにする
- USBメモリーからインストーラを起動する
- インストーラからディスクユーティリティを起動し、M.2 SSDを消去する
- インストーラからMontereyインストールする
1. Montereyインストーラをダウンロード
Big Surの環境から、「システム環境設定」「ソフトウェアアップデート」を開いて、Montereyをダウンロードします。12.13GBあるようです。
ちなみに、「ほかにもアップデートがあります。」の表示が出ています。これをクリックすると11.6.1が来ていました。Montereyをすぐインストールしないという人も、こちらは入れておいた方が良いと思いました。
ダウンロードするといつものように自動的にインストーラが開きます。ここで「続ける」ボタンを押しせば上書きインストールが開始します。今回は、クリーンインストールするので、メニューバーから「インストーラを終了」を選び中断します。
2. MontereyインストールUSBを作る
インストーラ用のUSBメモリを用意します。必要な容量は15GB程度ですが、USBメモリの容量は多分32GBはあった方が良いです。今回は32GBのUSB 3.0メモリーを用意しました。このUSBメモリーをディスクユーティリティ.appを使って初期化します。USBメモリを選択して、消去ボタンを押します。フォーマット方式の項目では、Mac OS拡張(ジャーナリング)とGUIDパーティションマップを選んでおきます。方式をGUIDにしないとESPが作られないです。ここでAPFSを選んでも良さそうな気もしますが、後のcreateinstallmediaコマンドでエラーが出ます。Mac OS拡張(ジャーナリング)を選んでおく必要があります。
次に、MontereyインストーラーをUSBメモリ内に作ります。これは実機(本物のMac)でもMontereyをインストールできるUSBメモリになります。ターミナルを使用して、Montereyインストーラの中のContents/Resourcesに移動するとcreateinstallmediaというファイルがあります。そこで以下のコマンドを入力します。
$ cd /Applications/Install\ macOS\ Monterey.app/Contents/Resources/ % sudo ./createinstallmedia --volume /Volumes/USB/ Password: Ready to start. To continue we need to erase the volume at /Volumes/USB. If you wish to continue type (Y) then press return: y Erasing disk: 0%... 10%... 20%... 30%... 100% Copying to disk: 0%... 10%... 20%... 30%... 40%... 50%... 60%... 70%... 80%... 90%... 100% Making disk bootable... Copying boot files... Install media now available at "/Volumes/Install macOS Monterey"
パスワード入力と、確認のyを押すと、いろいろ進捗して終了します。これでインストール用USBメモリが出来上がりました。本物のMacなら、このUSBメモリで起動するはずです。
3. USBメモリのESPに現用のESPをコピーする
こうして作成したインストーラUSBメモリのESPに、稼働しているOpenCore一式をコピーして、USBメモリだけで起動するようにします。それぞれのESPをマウントして、EFIフォルダをファインダーでドラッグ&ドロップすれば良いです。この先、M.2 SSDは消去しますので、他にも必要なデータがありましたらバックアップしておきます。
4. USBメモリーからインストーラを起動する
これで、BIOSからこのUSBドライブを指定して起動すれば、今まで通りOpenCoreが起動して、起動ドライブにMontereyインストーラが見えるはずです。
ただ、OpenCoreでデフォルト通りの設定をしていると、起動ボリュームの一覧にこのUSBメモリが現れないかもしれないです。それはconfig.plistのMisc, Security Properties, ScanPolicyのデフォルト設定が原因です。これのデフォルト値は、0x010F0103 (10進数では17760515) です。この設定だと、2重の理由で、今回のUSBメモリが起動ボリューム候補に現れません。
- まず、USB接続された起動ボリュームをスキャン対象に認める設定が、0x00200000のビットですが、これがデフォルトでは0になっています。なのでUSBデバイスをスキャンしてくれません。
- また、HFS+のボリュームをスキャン対象として認める設定が、0x00000200のビットです。これもデフォルトでは0なので、候補に現れません。
なので、デフォルト値を変えて、ScanPolicyを0x012F0303 (10進数では19858179) に設定します。下の図はPlistEDPlusを使って変更している様子です。
これで起動項目にUSBメモリのインストーラが現れるようになります。Montereyアイコンのボリュームが、USBメモリーです。このInstall macOS Montereyを選択して起動します。
5. インストール先ボリュームを消去する
USBメモリから起動すると、下のようなメニューが現れます。
ここでディスクユーティリティを選んで、インストール先M.2 SSDを綺麗さっぱりフォーマットしました。インストール先のAPFSボリュームグループを選択し、名前を設定して、フォーマットをAPFSにして、Eraseボタンを押します。これで綺麗さっぱり消去されます。
6. Montereyをインストールする
Disk Utilityを閉じると、またメニューに戻ります。次にmacOS Montereyインストールを選択します。するとおなじみのmacOSインストーラが起動します。後は、いつものようにインストールを進めていくだけです。
インストール先のリストには、先ほどフォーマットしたディスクが現れますのでそれを選択します。
この後数分で再起動しました。このとき、macOS Installerというドライブが選ばれているはずです。もしも他が選択されていたら、これを選んでおきます。
次にリンゴマークと棒グラフの表示が出ます。
この後多分5~6分くらいで、また再起動しました。またmacOS Installerが選択されてます。
そして数分でまたまた再起動。今度は、インストール先ドライブにつけた名前 (ここではMacintosh HD) の選択肢が現れ、選択されています。これで起動します。
さらに、2~3分で、またまたまた同様に再起動しました。そして次の起動で、設定画面が現れました。あとはいつものように、設定を行ないます。
インストール終了したあと、このMacについてを確認すると、バージョンは12.0.1 (21A559) でした。リリース候補(RC)と同じビルドでした。
これでM.2 SSDから起動します。上の手順では、APFSボリュームグループをフォーマットしてたのでESPの内容は無事でした。ドライブ全体をフォーマットするとESPの内容も消えてしまいます。その場合は、USBメモリのESPの内容を、M.2 SSDの方に書き戻しておきます。
まとめ
OpenCoreで起動しているZ590マシンにMontereyをクリーンインストールしました。そのために、単体で起動してMontereyがインストールできるUSBメモリを作りました。いつものようにベータ版で予行演習していたこともありますが、スムーズにMontereyに移行できました。