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USB接続のHDMIビデオキャプチャを使う

HDMI端子からUSB 3.0経由でフルHD動画を取り込めるアダプターを使ってみました。USB Video Class (UVC) というUSB標準のデバイスクラスに対応しているので、macOSで(hackintoshでも)OOBで使用できます。

USB Device Class

USBの規格には、データを通信するための基本的な規格の他に、もっと上位の、使用目的別のプロトコルを決めたDevice Classという規格があります。macOSは多くのDevice Classを標準でサポートしてます。なので、様々なデバイスを、それ専用のデバイスドライバーをインストールすることなく、OOBで動かすことができます。この状況は、USBの基本的なデータ通信ができていれば、hackintoshでも同じです。なので、キーボードやマウス (HID class)、USBメモリー (Mass strage class)、USBスピーカー (Audio class)、webカメラ (Video class)などが、hackintoshでもMacと同様に、ドライバー不要で使用することができます。

USBビデオキャプチャー

HDMI端子から1080pのフルHD (FHD) 動画を取り込めるUSB Video Class (UVC) 対応ビデオキャプチャー製品が多数出回っています。これを使えばHDMI動画を、webカメラからの映像のように取り込むことができます。macOS標準機能で動画を録画したり、ゲーム配信、動画配信、ビデオ会議でHDMI映像を流すことも可能です。動画を取り込むのは、昔は結構大変でした。MacだとIEEE 1394とか使ってました。

IEEE 1393は昔のシリアルバスの規格です。元々はAppleがFireWireという名前で開発した規格なので、一昔のMacintoshには必ず搭載されていました。Windowsマシンにもだいたい搭載されていました。AV機器でも採用されて、ソニーはi.LINKと呼んでいました。IEEE 1394を搭載したマザーボードもあったのですが、今はありません。現行のMacintoshでIEEE 1394を使おうとすると、Apple Thunderbolt FireWire アダプタを購入するくらいしか手段はありません。PCIeスロットのついた自作Hackintoshなら、拡張カードで対応できます。IEEE 1394 PCIe...
IEEE 1394 (FireWire) を使う - Boot macOS

でも今ならUSB が十分速いので、安価なデバイスが使えます。AmazonやAliExpressで、USBビデオキャプチャーとして販売されている製品は、大体がUVC対応なので、macOSで使用可能です。

これなどは1,599円と格安です。ただし、USB 2.0接続で、フルHDで取り込めるのは30fpsまでです。

USB 3.0接続になると値段が高くなります。その代わりフルHDで60fpsの取り込みが可能になります。さらにこれはHDMI出力もついています。

AliExpress.com Product – KuWFi USB HDMI Video Capture

実は、1年以上前に入手したまま未開封だったこちらの製品が手元にありました。USB 3.0接続でフルHD 60fps対応の製品です。今回はこちらを使ってみました。

AliExpress.com Product – 1080P 60fps Full HD HDMI to USB 3.0

大きさはクレジットカードくらいの小さなアルミ製の箱です。放熱効果は良いようで、長時間使用してもそれほど熱くなりません。入出力はシンプルで、HDMI入力、USBコネクタ、LEDがあるだけです。USBが特殊で、Type-Aのコネクタがついています。本来ならばType-Bが正しいと思います。なので、両端がType-Aになった、あまり見かけない、USBケーブルが付属しています。これをmacOSマシンに接続します。

UVC規格なので、macOSからは通常のwebカメラのように認識されます。例えばPhotoBoothから見たところ、FHD Webcameraという名前で見えていて、HDMIの動画を取り込んで利用できます。FaceTime, Skype, Zoomなどのアプリケーションからも同様にこの名前で認識されています。

HDMIの音声に関しては、USB Audio Classデバイスとして機能している様子です。webカメラのマイクロフォンのような扱いです。システム環境設定–>サウンド–>入力を見ると、マザーボードの音声入力端子と並んで、FHD Webcameraという名前で見えています。

HDMI動画を撮影する

これがあれば、HDMI端子の映像ならばなんでも取り込めます。例えば、Intel NUCを起動して、BIOS設定画面を開いて再起動して、CloverでmacOSを起動する様子もキャプチャすることができます。以下の動画は、QuickTime Playerの動画取り込み機能を利用して作成した動画です。取り込んだ生データは1080pの画素数ですが、動画編集ソフトで720pに削減してあります。また起動過程の一部をカットしてあります。

まとめ

USB接続のHDMIビデオキャプチャデバイスを試しました。OOBで使用することができました。高性能CPUと大容量HDDを搭載した自作PCを使ったhackintoshは、動画編集や動画配信に最適だと思います。HDMI出力のゲーム機の画面も取り込めるので、ゲーム実況にも使えます。動画配信、テレビ会議などで自作hackintoshの強みを生かせると思います。

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