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新しいCPUが2017年11月2日発売
インテルのメインストリーム向け新デスクトップCPU、Coffee Lake-Sシリーズの国内販売が決まったようです。以下の6種類が11月2日に発売されます。
Products | Cores | Threads | Base Clock | Turbo Boost | TDP |
---|---|---|---|---|---|
Core i7-8700K | 6 | 12 | 3.7GHz | 4.7GHz | 95W |
Core i7-8700 | 6 | 12 | 3.2GHz | 4.6GHz | 65W |
Core i5-8600K | 6 | 6 | 3.6GHz | 4.3GHz | 95W |
Core i5-8400 | 6 | 6 | 2.8GHz | 4GHz | 65W |
Core i3-8350K | 4 | 4 | 4GHz | N/A | 91W |
Core i3-8100 | 4 | 4 | 3.6GHz | N/A | 65W |
今までの経緯から、これらが次期iMacで採用されると予想されます。今回注目されていることは、コア数が増えたことです。今までずっと、
- Core i7は4コア8スレッド、
- Core i5は4コア4スレッド、
- Core i3は2コア4スレッド
の構成が踏襲されてきましたが、今回は、
- Core i7は6コア12スレッド、
- Core i5は6コア6スレッド、
- Core i3は4コア4スレッド
となり、久々のコア数増強です。AMDの新CPUがコア数重視なことに対抗しての結果と思われます。Kaby Lakeの時と売り出し価格は同程度なので、コア数増えたことでお得感があります。今回発売されるi7, i5, i3のそれぞれに、オーバークロック対応のKモデルと、無印のモデルがあります。K付きモデルはこの他に、無印と比べてクロックがより高い、TDBが高いという特徴があります。
CPU搭載iGPUは、今までのKaby LakeがIntel HD Graphics 630だったのに対して、Intel UHD Graphics 630になりました。しかし、多少クロックが上がったくらいで、内部的な設計やEU数はKaby Lake-S世代と何ら変わっていないそうです。iGPUに関しては、Kaby Lakeと同様の互換性で、macOSのスリープ復帰に多少問題が出るかと思います。
新CPUに対するHackintosh対応
過去の例を見ると、CPUが新しくなった時に、どれくらいHackintosh対応できるかどうかは、様々でした。
Haswell/BroadwellからSkylakeに移行した時は、コミュニティの皆さんが割と手こずっていた感じでした。最初はカーネルパニック連発で、なかなか起動せず、iMacがSkylakeを搭載した後も、しばらく不安定でした。安定したのは、MacBook系での採用が進んで、OSが十分に対応してからでした。CPUが発売されてから半年くらい時間がかかったと思います。
一方で、SkylakeからKaby Lakeの移行は、スムーズでした。 CPU IDとiGPU IDを古いSkylakeに偽装するだけでKaby Lakeは問題なく動き、Kaby Lake搭載iMacが出たタイミングのmacOS 10.12.6 で、偽装も不要になりました。
今回のKaby LakeからCoffee Lakeへの移行は、さらにマイナーチェンジだと言われています。CPUピンの割り当てが1本変更されたので、マザーボードの互換性は皆無ですが、チップセットはほとんど同じと言われています。iGPUにも違いはほとんどありません。
Coffee Lake-SでmacOS
実際に動作したという報告が、多数上がっています。Geekbenchにもベンチマークが上がっています。増えた全コア・スレッドがちゃんと認識されるようです。コア数が増えたので、Kaby Lakeに比べてマルチコアのスコアが目に見えて上昇しています。
- macOS 10.13 | i7-8700K ASUS Strix Z370-F RX 580 : hackintosh
- HS on 8700K, Coffee Lake – OSx86 10.13 (macOS High Sierra) – InsanelyMac Forum
- Apple 8700K – Geekbench Search – Geekbench Browser
Coffee Lake-Sを使う方法は簡単で、FakeCPUIDで 0x0906E9 にして、Kaby Lakeに偽装するだけで可能とのことです。Clover Configurator.appを使うならKernel and Kext PatchesのFakeCPUIDに0x0906E9を書き込みます。
config.plistを手作業で書き換えるなら、
<key>KernelAndKextPatches</key> <dict> <key>FakeCPUID</key> <string>0x0906E9</string>
のようにKernelAndKextPachesのセクションにFakeCPUIDを書き込みます。iGPUはKaby Lakeと比べて大きな違いがないので、偽装する必要はないようです。
追記:FakeCPUIDをしなくてもHigh Sierraで動くようです。ただ、不明のCPUという表示になるようです。http://www.insanelymac.com/forum/topic/328819-hs-on-8700k-coffee-lake/
追記:MojaveになってCPU名も不明にはならなくなったようです。
Core i3ではiGPUが動かない?
こちらの報告によると、
i3-8100ではIntel UHD Graphics 630が動かないそうです。i3-8100のiGPUのDevice IDは3E91で、i5-8400, i7-8700Kなどは3E92で、3E92のUHD 630じゃないとグラフィックス加速が効かないとのことです。iGPUを使う場合はi5以上を選ぶべきかもしれません。
新規に自作するならCoffee Lake-S
Kaby Lakeの時と同じく、iMacにCoffee Lakeが搭載されてmacOSが対応したら、FakeCPUIDを偽装する記述は不要になるはずです。ということで今現在、新規にHackintoshを組むならCoffee Lake-Sで作った方が良いと思われます。本物のMacintoshで未採用の最新6コアCPUを使えるというのはHackintoshの醍醐味でなないでしょうか。