第10世代CPU, Comet Lake-Sで自作したら、機種IDはiMac20,1にするのが良いと思います。iMac 2020に搭載されるComet Lake-S CPUの全てに適用されるIDだからです。ただ、Radeon RX 5700 Xなどを使用する場合は、類似GPUを搭載するiMac20,2の方が性能を引き出せる可能性も無いとは言えません。でも、実測したところ性能に違いはありませんでした。
iMac 2020には2種類の機種IDがある
前回の記事で紹介しましたように、iMac 2020には、iMac20,1とiMac20,2の2種類の機種IDがあります。ここでは、Comet Lake-Sの自作PCでmacOSマシンを作る場合、そのどちらを使用したら良いかをさらに考えてみます。
とりあえずは全てのComet Lake-Sモデルが対象になっているiMac20,1にしておくのが良いと思われます。特に10500や10600などを使う場合はiMac20,1にすべきでしょう。また多くの人がiMac20,1に設定すると思われるので、iMac20,1にしておけば、トラブル解決情報も容易に得られると思います。
ただ、iMac20,2はRadeon Pro 5700とPro 5700 XT搭載モデルなので、よく似た型番のRadeon RX 5700とRX 5700 XT搭載グラフィックスカードを使用する場合だけに関しては、iMac20,2の方が適切なのかもしれない、とも考えられます。もしかしたらiMac20,2にした方が、5700 (XT)のグラフィックス性能がより引き出せるのかもしれません。そこで今回は、RX 5700 XT搭載マシンで、性能差を検証しました。
iMac20,1と20,2でベンチマーク
機種IDをiMac20,1もしくはiMac20,2に設定するためには、それぞれのシリアル番号などを正しく生成して、対応したmacOSとOpenCoreを使用するのが良いです。この話題については次の記事で紹介します。
今回のベンチマークで使用したマシンは、こちらで紹介したものを基にして、さらにCPU, macOSとOpenCore, kext類をアップデートしてあります。
- ASUS ROG STRIX Z490-G GAMING (WiFi)
- Intel Core i-9 10900K
- macOS 10.15.6 (19G2021)
- OpenCore 0.6.1
- Radeon RX 5700 XT (ASUSのリファレンスファン)
このマシンの機種IDをiMac20,1とiMac20,2に設定して、それぞれでGeekbench 5のOpenCLとMetalのテストを5回ずつ実施しました。その平均を以下に示します。相変わらずしょぼいスコアで、同じ条件のRX 580に負けているのではと思いますが、今回はモデルIDの違いだけに注目します。
その結果、iMac20,1とiMac20,2では差がないことが判明しました。むしろiMac20,1の方が多少良いくらいです。ただ、個々のスコアを見ると、それぞれ逆転しているスコアもあり、違いは誤差範囲かと思われます。
まとめ
Radeon RX 5700 (XT)を使用した場合、iMac20,2に設定した方が性能を引き出せるのかどうかを検証しました。その結果、iMac20,1との差はありませんでした。第10世代で自作するなら、どの構成でも、機種IDはiMac20,1にすれば良いと思います。