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iMessageを動かす

Hackintoshの完成度を評価する目安は色々あります。例えば、起動するかどうか、画面が出るか、音が出るか、LANに接続できるか、WiFiが動くか、iPhoneと連携できるかなどあります。中でも、iMessageが動くかどうかは機種情報が正しく設定できていることの目安になります。

iMessage騒動

2014年の8月に、多くのHackintoshが、iMessageに繋がらなくなりました。「カスタマーコード」が表示され、iMessageサポートに連絡せよというダイアログが出て、締め出されて(ロックアウト)しまったのです。サーバ管理者側でセキュリティポリシーが変更されたことなので、具体的にどうなったのか知る由もありません。でもHackintoshコミュニティが手探りで試し尽くしたところ、機種ID、ロムとメインロジックボードのシリアル番号情報が、接続ごとに変動したり、フォーマットが正しくない場合に接続できないらしいとわかりました。

2014年のセキュリティ強化はあまりに過激すぎたのか、Appleサポート掲示板を見ると、本物のMacユーザにも支障が出ていたようです。セキュリティはその後、緩んだり厳しくなったりして、11月頃には、とうとう実機のシリアル番号じゃないと接続できなくなったこともありました。でも2015年の2月のバレンタインデーに、突如チェックが緩和され、ロックアウトが発生しなくなりました。それでも、シリアル番号やボードシリアル番号などは、設定機種に合った正しいフォーマットのデータを継続的に使用することが良いとされています。間違った設定を行っても、ロックアウトには至らなくなりましたが、接続できない問題が発生するようです。

en0に設定する

iMesssageに限らず、Appleのネットサービスを利用するためには、EthernetもしくはWi-FiのBSD装置名がen0である必要があります。実機がそうなっているからです。en0になっていないと、iMessageは使えませんし、App Storeへの接続でもエラーが出ます。

以下の記事でも紹介していますが、

Ethernetを動かすkext マザーボード搭載やPCIeカード搭載のEthernetチップは大体がサポート…
Ethernetを設定する - Boot macOS

以下のファイルを消して再起動すれば良いです。

また、en0があってもこれの状態がBuiltinになっていないと接続できないことがあるようです。コメントで教えていただきました。こちらに説明があります。これの対処法も、上記のファイルを消して再起動すれば良いようです。

シリアル番号類を正しいフォーマットで設定する

先のiMessage騒動の時に、iMessageに認められる正しいシリアル番号のフォーマットが、コミュニティの協力で調べられました。その結果が、Clover Configuratorの自動生成機能に組み込まれています。なので、これを利用して、正しい情報を設定しておけば良いです。以下の記事で紹介しておきました。

Hackintoshは本物のMacintoshではありませんが、macOSは本物の機種上で動いていると思い込ん…
正しく機種設定する (SMBIOSの設定) - Boot macOS

注意すべき点は、一回設定したら、継続して使い続けることです。iMessageにログインするたびに機種情報が変動すると、不正な利用とみなされて接続できなくなる場合があるようです。

iMessageへの接続失敗を無かったことにする

以前にiMessageにログインしようとして失敗したことを無かったことにするためには、以下のファイル/ディレクトリを消して再起動すると良いそうです。

ただし、ロックアウトが発生していた時は、ローカルの記録をいくら消去しても無駄でした。失敗した記録は当然ですがサーバ側にも残っているようです。

そのほかの条件

大抵の場合は、en0にすることと、SMBIOSで機種情報を正しく設定することで、iMessageを利用できます。それでも、接続がうまくいかなくて苦労している人もいるようです。ネット上にはたくさんの対処法が紹介されています。わかりやすいガイドには以下があります。

www.tonymacx86.com


www.youtube.com

iMessageのメッセージが届かないとか、遅延するなどの問題も報告されますが、実機を使っても、同様なことが発生します。なので、実はHackintoshの問題ではなく、iCloud / AppleID自体のトラブルである可能性も高いです。

また、古くからのApple IDユーザのアカウントであったり、クレジットカードを登録しているアカウントは問題を起こしにくいという噂もあります。本当かもしれませんし、都市伝説みたいなものかもしれません。さらには、最近はApple IDが2ファクタ認証に移行しつつあります。2ファクタ認証しているApple IDは従来よりセキュアなので、その結果ロックアウトされにくいように思います。何れにしても、サーバ側でどのように運営しているかは謎ですし、そのポリシーも変化していると思われます。

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