Haswell世代Core i5-4250U搭載Intel NUCにBig Sur 11.0.1をクリーンインストールしました。もともと11.0.1 RCを動かしていたので問題なく起動しました。サポート対象中の最弱マシン相当仕様ですがキビキビ動きます。
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Intel NUC D54250
Intel NUCは、ノートPC用CPUを搭載したデスクトップです。MacBook Airからディスプレイを外してデスクトップにしたような仕様です。低消費電力なので電源を入れっぱなしの家庭用サーバに向いていると思います。
10月に、これにOpenCoreを入れて、Big Sur Beta 9をインストールしました。その後、11.0.1 RCを入れてます。
今回は、これに公開版のBig Sur 11.0.1をクリーンインストールしました。11.0.1 RCが問題なく動いている状態だったので、動いて当然の作業です。
構成は以下です。
- Intel NUC D54250WYKH (2.5 inchドライブを内蔵できる背の高いモデルです。ちなみに兄弟モデルにはWYK, WYBがあります。WYKは2.5 inchの入らない薄型。WYBは基板だけです。)
- CPUはIntel(R) Core(TM) i5-4250U CPU @ 1.30GHz
- BIOSは2019年9月2日版のWYLPT10H-86A.0054
- グラフィックスはIntel HD Graphics 5000 (ごく稀にアーティファクトが出ます)
- mSATAソケットにAliExpressで買った安いSSDが付いています。
- 2.5インチドライブベイには2TB HDDが付いています。
- 無線カードはmini PCIeのBCM94360HMB (AzureWave AW-CB160H) です。WiFiはOOBですがBluetoothには追加のkextが必要です。
- 機種IDは4250Uが搭載されているMacBookAir6,2にしました。
ESPの設定
ブートに必要なESPの中身は、以下のように設定してあります。まず、ブートローダは、OpenCore 0.6.3です。
ACPIフォルダの中は以下です。
- SSDT-PLUG.aml
- SSDT-EC-DESKTOP.aml
Kextフォルダの中は以下です。SMC….kextはハードウェアモニター用なのでなくても良いです。Brcm….kextはBluetoothを使うために入れました。これらが無くてもWi-FiはOOBで動きます。
- WhateverGreen.kext
- VirtualSMC.kext
- SMCSuperIO.kext (HWモニター用)
- SMCProcessor.kext (HWモニター用)
- Lilu.kext
- IntelMausi.kext
- AppleALC.kext
- BrcmPatchRAM3.kext (Bluetoothが必要な場合)
- BrcmFirmwareData.kext (Bluetoothが必要な場合)
- BrcmBluetoothInjector.kext (Bluetoothが必要な場合)
Driversフォルダの中身は以下です。
- VBoxHfs.efi (HFS+で起動しなければ不要)
- OpenRuntime.efi
- OpenCanopy.efi (OpenCore起動画面でアイコン出さなければ不要)
Config.plistの設定
config.plistの内容は、Haswell用ガイドのページに従って設定してあります。DevicePropertiesの箇所には、
<key>PciRoot(0x0)/Pci(0x2,0x0)</key> <dict> <key>AAPL,ig-platform-id</key> <data>AwAiDQ==</data> </dict>
を加えました。Intel HD Graphics 5000を表示用に使用する設定です。また、
<key>PciRoot(0x0)/Pci(0x1b,0x0)</key> <dict> <key>layout-id</key> <data>AQAAAA==</data> </dict>
も加えました。オーディオのレイアウトIDを1番に設定する記述です。また、デフォルトではExposeSensitiveDataが6だったのを7にしました。NUCには搭載されるUSB数が元々少ないので、15個制限対策は不要です。実機のMacと同様ですね。
以前の記事で、
- Misc – Security – SecureBootModel を Disabled にする
必要があると書きましたが、OpenCore 0.6.3からは、デフォルトのDefaultのままで起動します。
Big Surを入れる
前述のように、このNUCは
- mSATA SSD (Big Sur 11.0.1 RC)
- 2.5 inch HDD (Catalina最終版)
を搭載してます。mSATA SSDにはBig Sur 11.0.1 RCを入れてました。また、2.5 inch HDDには緊急用ブートのために小さなパーティションが切ってあって、そこにはCatalina最終版が入っています。
今回は、mSATA SSDにBig Sur公開版をクリーンインストールしようとしました。そこで、HDDのCatalinaで起動して、mSATAをまっさらにフォーマットし直しました。そしてCatalinaからBig Surインストーラを起動して、mSATA SSDにインストールしました。
インストール過程の最初の再起動で、BIOSの警告が出ました。
特に設定はおかしくなってませんでしたし、この先は、警告が出ることはありませんでしたので、このまま続けました。今までのBig Surインストール作業と同様に、最初の2-3回の起動では、macOS Installerという名前のドライブから再起動します。
でも進捗すると、フォーマット時に設定したドライブの名前になってます。
その後、また2回ほど再起動して、設定画面に入りました。
MacBook6,1と6,2は、Big Surが動く最古のMacで、4250UはBig Surが公式対応する最弱のCPUと言えます。ギリギリのスペックですが、Big Surは充分にキビキビ動きました。とはいえ、Geekbench 5で、シングル600, マルチ1200と遅いです。これと比較すると、新しいM1のシングル1600, マルチ7200というスコアはすごいですね。
まとめ
Haswell版Intel NUCにも、OpenCore 0.6.3とBig Sur公開版をクリーンインストールしました。Big Surがサポート対象とする最弱Macに相当するスペックですが、問題なく動きました。