HomePod miniを使ってみました。macOSからはAirPlayのスピーカーとして使えます。またHome.appからアラームの設定ができます。HomeKitのホームハブとして使えるそうですが、そちらは試せてません。
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HomePod mini
Amazon EchoやGoogle Homeに比べて、Appleのスマートスピーカは高価なHomePod無印が1機種だけしかなく、普及に力を入れているという様子がありませんでした。でもHomePod miniが出て、競争力が付いたと思います。Echoは、安いのでいくつか使用してますが、結構便利です。でもAppleのエコシステムで生きているので、カレンダーやメッセージにアクセスできなくて物足りなく思ってました。今回、手頃な価格でコンパクトなHomePod miniが出たので、ようやく試せました。
設定
箱から出して、電源に接続して、iPhoneを近づけると、iPhoneに設定画面が現れます。このあとは数個の選択肢を設定していくだけです。
この辺りは、iOSを所有している会社の製品だけあって、手間要らずです。自社のアプリをダウンロードさせたり、起動させたりする手間が不要なだけでも有利です。Wi-Fiなどの設定も、Amazon Echoに比べたら格段に容易でした。てっぺんのLEDの点滅をiPhoneで撮影して、デバイスをペアリングする手法もスマートです。その結果、Wi-FiもBluetoothもApple IDも全てが、気づかないうちに設定終了してました。逆に言うと、iPhoneが無いと使い始めることもできないデバイスです。
このあと、Z390 + 9900KにOpenCore 0.6.3 + Big Sur 11.0.1の構成のmacOSマシンから何ができるのか試しました。無線ユニットは、純正Macと同じBCM94360CDです。
Hackintosh自作に適したWiFiとBluetoothカードを紹介します。今までお話しした、CPU、マザーボード、グラフィックスカードがHackintosh自作パーツの主役でした。これらが正しく選択されていれば、他のパーツはどれを使ってもとりあえず動きます。でも脇役なりにこだわっておきたいパーツもあります。WiFi / Bluetoothカードはその筆頭かと思います。結論長いので、結論を先に書いておきます。現時点 (2020/7) で、比較的入手可能なモジュールで、そのままで (OOBで) 使用できる製品は、以下です。 BCM94360CS2 (Broadcom独自コネクタ)... Hackintoshのパーツ選び 【その4:無線編】 - Boot macOS |
HomePod miniとの通信でBluetoothなども使っているのかなと思ったのですが、以下で紹介するAirPlayもHome.appも有線LANだけで動きました。BluetoothとWi-Fiをoffにしても同様に動きます。
AirPlayスピーカー
まずはサウンドです。デフォルトの選択肢からオフィスを選んであったのですが、その名前でAirPlayデバイスとして見えてます。これを選択するだけで、すぐに音が出ました。Bluetoothのペアリングは、簡単そうで失敗することも多いのですが、こちらは手間要らず機能します。キーボードの音量キーも操作可能でした。HDMIやUSBオーディオだとキーボードの音量キーが効かないことも多いので、これは助かります。
すでに色々な人が音質が良いとレビューしてますが、評判通り、音質はそこそこ良いです。ステレオスピーカーと比較すると、HomePod miniはモノラルなので、広がりに欠けるのは仕方ないです。ちなみに、2台のHomePod miniを用意すると、iPhoneからはステレオになります。でもmacOSのAirPlayではモノラルのスピーカーが2個に増えただけになってしまうらしいです。macOSで使う限り、1台だけ買えば良いようです。
しばらく使ってみると、いくつか不具合に気づきました。まず、YouTubeで動画を止めたり動かしたりしていると、HomePod miniの設定音量とずれてしまうことがありました。また、macOS警告音の「サウンドエフェクトの再生装置」として、システム環境設定の選択肢にHomePod miniが現れることもあれば、現れないこともあります。バグのような感じなので、そのうち直してくれるかもしれません。
もう一点、気になったところは、遅延が大きい場合があることです。サウンドエフェクトの再生装置として現れる場合、通知音のサンプルをクリックしてから1~2秒くらい遅れて音が出ます。MusicやQuickTime Playerなどで音楽の再生・停止ボタンを押すと、2秒くらいしてから反応します。動画再生・停止でも遅延します。でも映像も遅延するので、音との同期がズレる現象はないのです。いずれの場合も、マザーボードのサウンドチップでは瞬時に応答するので、AirPlayが原因だと思われます。何処かのバッファメモリが一杯、または空っぽになるまで、操作結果が反映されない感じです。遠隔会議ではこの遅延のために対話が成り立ちません。いろいろ謎の遅延ですが、これもそのうち直してくれるのかもしれないです。
ホーム.app
ホーム.appを開いてみました。オフィスという場所に、HomePod miniが見えてました。名前は変更できます。いくつかの設定も変更できます。でもできることは、アラームを設定する程度の事でした。macOSから操作するよりも、Siriに音声でお願いしたほうが楽そうです。
純正環境との比較
AirPlayの遅延などに関しては、hackintosh環境なので、不具合が起こっても当然だったのかもしれません。それで純正Mac, iPhone環境ではどうなのかを確認しました。
純正Macとの比較
Big Sur 11.0.1が動いている本物のMacBookからこのHomePod miniに接続して確認しました。警告音のデバイスに現れない、2秒くらい遅延するという状況は、同様に発生しました。hackintoshの問題ではないようです。
iPhoneとの比較
iPhoneから接続すると、Musicアプリでも、一般のアプリ(例えばSafariで見るYoutubeサイトの動画)でも、遅延はありませんでした。
AirPlay 2.0
先の説明で、macOSのAirPlayではHomePodはステレオにならないと書きました。正確には、macOSでも、Music.appからだけはステレオになるそうです。
調べたところ、初代HomePodが発表された2017年に同時に、AirPlay 2.0が発表されて、そこで複数スピーカーの同期ストリーミングがサポートされたのだそうです。これにより2台のHomePodでのステレオ再生がサポートされたのだと思われます。この時に、遅延の問題も改善されたのでは無いかと思いました。それで、iOSは全面的にAirPlay 2.0に対応しているので、遅延が発生しないけど、macOSではMusic.appだけが2.0に対応しているので、Music.appを使う時だけは、ステレオにもなるし、遅延も発生しないということかと思いました。
実はmacOSのMusic.appでも、設定によっては2秒の遅延が発生します。純正Macでも同様です。Music.appのAirPlayアイコンから、HomePod miniを選択すると、遅延は発生しません。「オフィス」というのがHomePod miniです。
でもここで「コンピュータ」を選んで、macOSの「システム環境設定」「サウンド」からAirPlayデバイスを選ぶと遅延が発生します。前者は、
Music.app ---> ( AirPlay 2.0 ) ---> HomePod mini
という接続になっていて、ステレオになって遅延も発生しないけど、後者は、
Music.app ---> macOS ---> ( AirPlay ) ---> HomePod mini
というようにmacOSを経由した設定で、この場合、古いAirPlay無印が使用されて、その結果遅延が発生するということかと推測できます。macOSのMusic.appは自前でAirPlay 2.0を実装しているのか、それとも2.0を提供するmacOSの未公開APIがあってそれを使用しいるのかと思われます。
まとめ
HomePod miniが自作マシンのmacOSから使えることを確認しました。AirPlay接続のスピーカーとして使えて、さらにホーム.appにはデバイスとして現れます。ただ遅延が大きいので、コンピュータ用スピーカーには向いてませんでした。常設のSiriデバイスとして使っていきます。