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2.5G BASE-T PCIe Ethernetカードを使う

RealtekのRTL8125チップを搭載した2.5Gps Ethernet PCIeカードを、macOSが動く自作PCで使ってみました。ドライバにはLucyRTL8125Ethernet.kextを使います。2.5Gbpsの速度が出ていることを確認しました。安価なので1G超えLANを試すのに良いと思います。

RTL8125搭載2.5G PCIeカード

AmazonやAliExpressのページでRTL8125を検索すると、2.5G BASE-TのEthernet拡張カード製品が多数見つかります。RTL8125はRealtekの2.5GbE用のチップです。現在主流のZ490マザーボードの多くにはIntelのI225-Vが採用されていますが、一部の製品にはRTL8125が搭載されています。例えばGIGABYTEのマザーボードにはRTL8125が搭載されています。GIGABYTE関係者の方が「I225-VよりRTL8125の方が安定しているから採用している」と、YouTubeで宣伝してました。それくらいメジャーなチップなので、2.5Gbps PCIe拡張カードの多くがRTL8125を搭載しているようです。Amazonでの価格は2,000円〜4,000円くらいです。10Gbpsのカードに比べると安価なので、導入しやすいです。

価格以外にも、2.5Gbpsカードのメリットがあります。2.5Gbpsカードは10Gbpsに比べて速度が遅いので、カードエッジコネクタはPCIe x 1です。それに対して、高速な10GbpsカードではPCIe x 4になります。今回使用したマザーボード(ASUSのROG Maximus XI Hero Z390マザーボード)には3本のPCIe x 16スロットと3本のPCIe x 1スロットがあります。3本のPCIe x 16スロットのうち、CPU直結スロットはグラフィックスに、チップセット経由のスロットはSATAカード (PCIe x 4)で使ってしまっていました。CPU直結のPCIe x 16のスロットがもう一本空いてはいますが、それを使うとグラフィックスカードを挿しているPCIe x 16と帯域を分け合うことになり、どちらもx 8になってしまいます。LANのためにグラフィックスの性能が下がるのは避けたいと思いました。そうすると空いているスロットはPCI x 1だけです。x 1スロットで使える2.5 Gカードは、現状に即した選択と思いました。

今回注目したのは、2.5Gカードとして最安値で販売されている以下の製品です。AmazonとAliExpressのどちらにも、同じ写真の製品が複数販売されています。扱っている店が違うだけで、おそらく全て同じ製品だと思われます。


AliExpress: PCIe 2.5G Ethernet Adapter Card

Amazonだと送料込みで2300円程度ですが、AliExpressでは1900円程度です。差額は大差ないのですが、Amazonの納期は3週間以上で、AliExpressの方は1週間未満でした。価格と納期は時期により変化すると思いますが、現状ではAliExpressの方が優秀な様子でした。以下ではAliExpressから届いたカードを使ってみた報告です。

LucyRTL8125Ethernet.kext

実際のMacでは採用されていないチップなので、macOSにはドライバーが含まれていません。でもmacOSで動くRTL8125用のドライバー(kextファイル)が以下で公開されています。Kext Updater.appにも登録されているので、そちらからもダウンロード可能です。

macOS driver for Realtek RTL8125. Contribute to Mieze/LucyRTL8125Ethernet development by creating an account on GitHub.
GitHub - Mieze/LucyRTL8125Ethernet: macOS driver for Realtek RTL8125 - GitHub

ちなみにLucyというのは作者のMiezeさんの猫の名前のようです。

LucyRTL8125Ethernet.kextをOpenCoreのKextsフォルダに入れ、ProperTreeのスナップショット機能を使ってconfig.plistに登録したところ、このRTL8125カードは問題なく動作しました。ただしWake On Lanは効きませんでした。カードの販売サイトではWOL対応していると書いてあるので、おそらくはmacOSとの相性問題ではないかと思います。

システム情報で確認

動作したところでmacOSの「システム情報」を開くと、RTL8125Aを搭載したPCIeカードだと確認できました。ちなみに、もう一つ見えているEthernetカードは、ASUS Z390マザーボード上に実装された1G Base-TのI219です。

速度測定

速度が出ていることを確認するためにiperf3コマンドで速度測定しました。このカードを取り付けたASUS Z390マシンを、ASUS Z490マシンに接続しました。どちらのマシンも、OpenCore 0.6.4 + Big Sur 11.1の構成です。Z490には、Intel I225-Vが搭載されています。なので接続は以下のようになります。

Z390 (Big Sur) + RTL8125A <-----> Intel I225-V + Z490 (Big Sur)

また、今回の測定ではジャンボフレームをonに設定しました。なので前回の測定より性能が出ました。ジャンボフレームを有効にするには、システム環境設定の、ネットワーク、詳細、ハードウエアで構成を手動にします。手動で2.5Gに設定すると、相手は2.5G Base-T限定になり、1Gハブなどには接続できなくなります。

iPerf3のクライアント側の結果を以下に示します。2.5Gbpsの速度が達成されている様子がわかります。

% iperf3 -c 192.168.x.x
Connecting to host 192.168.x.x, port 5201
[  5] local 192.168.x.x port 49642 connected to 192.168.x.x port 5201
[ ID] Interval           Transfer     Bitrate
[  5]   0.00-1.00   sec   295 MBytes  2.48 Gbits/sec
[  5]   1.00-2.00   sec   297 MBytes  2.49 Gbits/sec
[  5]   2.00-3.00   sec   295 MBytes  2.47 Gbits/sec
[  5]   3.00-4.00   sec   295 MBytes  2.47 Gbits/sec
[  5]   4.00-5.00   sec   294 MBytes  2.47 Gbits/sec
[  5]   5.00-6.00   sec   296 MBytes  2.48 Gbits/sec
[  5]   6.00-7.00   sec   295 MBytes  2.48 Gbits/sec
[  5]   7.00-8.00   sec   293 MBytes  2.46 Gbits/sec
[  5]   8.00-9.00   sec   294 MBytes  2.46 Gbits/sec
[  5]   9.00-10.00  sec   295 MBytes  2.47 Gbits/sec
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
[ ID] Interval           Transfer     Bitrate
[  5]   0.00-10.00  sec  2.88 GBytes  2.47 Gbits/sec sender
[  5]   0.00-10.00  sec  2.88 GBytes  2.47 Gbits/sec receiver

iperf Done.

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