macOS Catalina 10.15の配布が開始されました。早速、Mojaveからアップデートしました。Cloverとkext類を最新版にすれば、時間はかかるものの通常の作業でアップデートできるようです。
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アップデートの準備
昨日 (2019/10/8 JST)、macOS Catalina 10.15の配布が開始されました。例年だと1-2週間前に配布開始日がアナウンスされたのですが、今回は突然のことでした。慌ててインストールしたのですが、インストールが止まって見えてしまうトラブルがあって報告が遅れました。実は、単に時間がかかっていただけのようでした。
システムの構成
インストール先のマシンは、こちらです。
銀色のマザーボードMSI B360M Mortar Titaniumに6コア6スレッドのCore i5 9600Kを組み合わせたHackintoshです。実機27インチiMac 2019に搭載されている第9世代CPUと同じCPUなので互換性が高いと期待しました。ハードウェア構成マザーボードマザーボードはMSI B360M Mortar Titaniumです。以下で使ったものと同じマザーボードです。CPU以外の構成は変わっていません。マザーボードのBIOS設定もこの記事をご覧ください。300シリーズチップセットの白いマザーボードを使いたい場合は、選択肢がこれしかありません。B360は、Z390/H370と同... MSI B360M MORTAR TITANIUM, 9600K - Boot macOS |
これに取り付けたCrucialの1TB M.2 SSD, CT1000P1SSD81TBにインストールしました。
NVMeプロトコルのM.2 SSDが安くなっています。1TBでも1万円代前半です。ということでCrucialのお安い1TB M.2 SSD, CT1000P1SSD8をmacOSで使ってみました。問題なく動作し性能もそこそこ良いです。SSDが安くなったメモリーの価格が下がっている関係か、M.2 NVMe SSDも安くなっているようです。以前は、1TBだと結構なお値段だったのですが、セールだと1万円を切ってたりします。以下はその時のスクリーンショットです。残念ながら現在の価格は1,400円ほど上昇して11,323円ですが、それでも1TBでのこの価格は、ちょっと前なら考えられなか... Crucialの1TB NVMe M.2 SSD (CT1000P1SSD8) を使う - Boot macOS |
光学ドライブとTimeMachine用のHDDなどが接続されているのですが、わかりやすいように一時的に取り外した状態で進めました。また、起動ボリュームは慣例に従ってMacintosh HDにしてあったのですが、これもわかりやすいようにMojaveにしました。ということで、diskutil listコマンドで見ると、次のように見えます。
$ diskutil list /dev/disk0 (internal): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: GUID_partition_scheme 1.0 TB disk0 1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1 2: Apple_APFS Container disk1 1000.0 GB disk0s2 /dev/disk1 (synthesized): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: APFS Container Scheme - +1000.0 GB disk1 Physical Store disk0s2 1: APFS Volume Mojave 629.6 GB disk1s1 2: APFS Volume Preboot 47.5 MB disk1s2 3: APFS Volume Recovery 510.4 MB disk1s3 4: APFS Volume VM 3.2 GB disk1s4
SSDにはEFIシステムパーティション(ESP)と、APFSコンテナのパーティションができています。APFSコンテナのパーティションは、SSDの空きを全て割り当てて確保してあります。APFSコンテナの中には、改名したばかりのMojaveという名前のメインボリュームがあります。macOSのシステムもデータも全部がこの中に入っています。PrebootはFileVault用のボリューム、Recoveryはリカバリーモードで起動するためのボリュームです。VMは仮想メモリー用のボリュームです。APFSのボリュームは、サイズが可変で、必要な容量に対して柔軟に対応できます。
ESPを最新にする
バニラなインストールをしているので、Hackintoshに必要なファイルは全てESPに入っています。Catalinaに備えて、この内容を最新にアップデートしておきます。開発者の皆さんが対応してくださっていますので、アップデートで発生する問題の多くは、Cloverやkextが最新版にすることで対処できます。現時点でのCloverの最新バージョンは、5070です。最新でしたのでそのままにします。次に、Kext Updater.appで使用中のkextを最新にします。手元のシステムでは、WhateverGreen.kext, IntelMausiEthernet.kext, AppleALC.kextを更新しました。更新したら、念のために再起動して、Mojaveとして起動することを確認しておきます。
この記事は、以下の古い記事のv.3対応改訂版です。Hackintoshで使っているClover, EFIドライバ、kext類は、最新版を使うのが良いです。色々なバグが直されていて、安定しています。また常に最新にしておけば、macOSのバージョンアップにも対応できます。Catalinaに備えていつも最新状態にしておきたいものです。ただ、開発者の方々のページを巡回して最新版をチェックするのも大変です。Hackintoshで使用中のkext類最新版をチェックして、新バージョンがあった場合にダウンロードしてくれる便利なツールがあります。ドイツのHackintosh... ワンクリックで最新KEXTに〜Kext Updater.app (Ver. 3) - Boot macOS |
新ボリューム作成
現在のMojaveに上書きアップデートしても問題ないとは思います。でも念のためにMojave環境は残しておきたいです。また、せっかくだから気持ちよくクリーンインストールしたいとの考えもありました。APFSなら、新しいボリュームを作成するのは簡単です。ディスクユーティリティ.appを開いて、Macintosh HDという名前の新しいボリュームを作成しました。(よく考えたらもはやHDじゃないですね)
念のためにdiskutilコマンドでも確認しておきました。
$ diskutil list /dev/disk0 (internal): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: GUID_partition_scheme 1.0 TB disk0 1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1 2: Apple_APFS Container disk1 1000.0 GB disk0s2 /dev/disk1 (synthesized): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: APFS Container Scheme - +1000.0 GB disk1 Physical Store disk0s2 1: APFS Volume Mojave 631.1 GB disk1s1 2: APFS Volume Preboot 47.5 MB disk1s2 3: APFS Volume Recovery 510.4 MB disk1s3 4: APFS Volume VM 3.2 GB disk1s4 5: APFS Volume Macintosh HD 647.2 KB disk1s5
Catalinaをダウンロードする
これで準備万端ですので、Mojaveで起動して、「システム環境設定」「ソフトウェアアップデート」を開いて、Catalinaをダウンロードします。8GBあるようです。
インストールする
ダウンロードするといつものように自動的にインストーラが開きます。デフォルトのインストール先は、現在起動しているMojaveになっていますが、新しく作ったMacintosh HDを選択します。
インストールが始まると、間も無く再起動します。再起動時のCloverの起動選択画面では、Boot macOS Install from Macintosh HDを選択します。デフォルトでこれが選ばれていると思います。
このあとインストール画面になります。今回の環境では、この先が長かったです。About 11 minutes remaining…という表示が出たまま、インストールが止まってしまったように見えました。小一時間様子を見たのですが、変化がありません。そこで強制終了していろいろ試したのですが、どうしても11分のところで止まってしまいました。仕方がないので、そのまま一晩放置したところ、インストールが終わっていました。単に、時間がかかっていただけだったようです。
実は以下で紹介したZ390マシンでも、同様な手順でCatalinaのインストールを並行して行いました。そちらでも、やはり11分で止まりました。でもZ390マシンはしばらくするとインストールが進みました。ということで、Catalinaへのアップデートでは辛抱強く様子を見る余裕が必要だと感じました。ちなみに本物MacのCatalinaアップデートでは、プログレスバーが停滞することはなく、割と順調に進みました。
Coffee Lake-S Refreshの作例です。スリープ、iMessage、FaceTimeが機能します。純正無線ユニットを使用しているのでContinuity関連も問題ありません。過去に公開した記事のまとめです。このマシンは常用していますので、ここで紹介している作例で一番自信のある構成です。macOS 10.15.3に対応したEFIフォルダの中身をこちらに置いておきます。シリアル番号とUUIDは有効ですが、ネット接続する前に必ず変更してください。ハードウェア マザーボードはASUS ROG MAXIMUS HERO WIFI (国内ではWiFi付モデルのみのようです。WiFi/BTは動作... ASUS ROG MAXIMUS XI HERO (Z390), 9900K - Boot macOS |
インストールが終了すると、再び再起動します。今度は、インストール用のボリュームは消えていて、Boot macOS from Macintosh HDに変わってます。この挙動はいつものアップデート作業と同じです。
インストール途中で、TimeMachineバックアップや他のMacのデータを転送するかどうかを聞かれます。最初の手順で、Mojaveのドライブを残してありました。これが転送元の選択肢に現れますので、これから復帰しました。クリーンインストールという観点からすると、古いデータを引き継ぐことになってしまうかもしれませんが、設定は楽です。ユーザデータは大量になるので、それ以外の設定とアプリケーションだけを引き継ぎました。ユーザデータは、古いUsers以下のディレクトリを、システム環境設定のアカウントで指定すれば簡単に引き継げるので、ここで転送する必要はないと思いました。
インストールが終了した状態で、diskutilコマンドでボリュームの様子を見てみます。インストール先のMacintosh HDに加えて、Macintosh HD – Dataという名前のボリュームができています。これがCatalinaから新しく作られたボリュームです。インストール先に指定したMacintosh HDボリュームは読み出し専用になって、保護されているらしいです。- Dataのついたボリュームに、ユーザデータを含む、書き換えするデータが置かれるようです。
% diskutil list /dev/disk0 (internal, physical): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: GUID_partition_scheme *1.0 TB disk0 1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1 2: Apple_APFS Container disk1 1000.0 GB disk0s2 /dev/disk1 (synthesized): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: APFS Container Scheme - +1000.0 GB disk1 Physical Store disk0s2 1: APFS Volume Mojave 639.0 GB disk1s1 2: APFS Volume Preboot 129.2 MB disk1s2 3: APFS Volume Recovery 1.0 GB disk1s3 4: APFS Volume VM 3.2 GB disk1s4 5: APFS Volume Macintosh HD - Data 47.6 GB disk1s5 6: APFS Volume Macintosh HD 10.6 GB disk1s6
まとめ
インストールに時間がかかったので、待ちきれなくて試行錯誤してしまいました。でも、我慢強くじっと待っていればCatalinaへは何事もなく順調にアップデートできたと思います。