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ThinkPad T460s にWiFi/BTカードBCM94360NGを取り付ける

M.2ソケット用のWiFi/BluetoothアダプターBCM94360NGは、OOBで使える唯一のM.2無線カードです。T460sに取り付けたところ、BIOSで拒絶されることも無く問題なく動作しました。

BCM94360NG

BCM94360NGは、M.2ソケット用のWiFi/Bluetooth無線アダプターカードです。macOSとの相性が良くて、Handoff, Airdrop, Apple Watchでのログイン, SidecarなどがOOBで動きます。M.2無線カードとしては、互換性の高い唯一のカードだと思います。おすすめです。今のところ日本のAmazonでは扱っていないですが、AliExpressでは複数の販売者から入手できます。


AliExpress.com Product – BCM94360NG M.2 Wifi BT4.0

AliExpressのサイトでは、macOS用無線カードを幾つかつ製造しているFenviのロゴが掲げられていました。そのサイトから送られてきたカードは、Fenviのロゴが入った透明パッケージに入っていました。

T460sに取り付ける

T460sの裏蓋を開けます。もともと付いていた無線カードは、Intelの8260NGWという製品でした。

これをBCM94360NGに差し替えます。どちらもアンテナ線2本のカードなので、交換は楽です。ただ、アンテナコネクタの位置が違うので、アンテナ線の取り回しが辛くなります。その上、いつものことですが、MHF4アンテナコネクタは小さくてはめにくいです。うまく位置が合えばカチッと気持ちよくはまります。ただ、元からのインテルのカードのコネクタより緩い感じで、力を入れると外れてしまいます。テープなどで固定した方が良いかもしれません。2本のアンテナは、最初のカードと同じく三角アイコンの白・黒を合わせて接続しました。ダイバーシティアンテナになっているだけだと思うので、逆にしても大丈夫とは思います。

交換後、T460sを起動したところ、直後はBIOS画面が2-3回現れて再起動している様子でした。その後無事macOSが起動しました。ThinkPadのBIOSは、動作確認のあるパーツのwhitelistを持っていて、それ以外のパーツを取り付けると起動しないと言われていました。その制約を外すために、ThinkPad X220のmini PCIeカードを交換した際には、改造BIOSに差し替えました。でも第5世代CPU搭載のThinkPadから徐々にwhitelist方式を廃止しているらしいです。なのでT460sではwhitelistの問題無く、動作したようです。ありがたいです。

動作チェック

カードの認識状況を「システム情報」でチェックしました。まずはネットワークとしては、種類もハードウェアもAirMacと表示されました。Apple純正カードであると認識されているようです。

次に、USBの項目でBluetooth部分を確認しました。製造元がApple Inc.となっています。これも純正のカードとして認識されているようです。ちなみに、Integrated CameraはT460sの液晶上部のカメラです。内部ではUSB接続しているようです。互換性が高かったはずです。

ソフトウェアの動作を確認したところ、App Store, iMessage, AirDrop, Sidecarが問題なく動作し、Apple Watchでのログイン認証も動作しました。iPhoneで開いていたwebページが、dockに現れるので、HandoffやContinuityも動作しているようです。Sidecarは、最初は動きませんでした。でも、以前もそうだったのですが、2-3日後になって動き始めました。Apple IDの認証に時間がかかっているなどのサーバー上の問題なのかもしれません。

M.2無線カードのおすすめ

今まで、M.2の無線カードは、BCM943602BAEDまたはDW1830の型番で販売されているカードが互換性が高いと考えていました。


AliExpress.com Product – Network Card

こちらはアンテナが3本あります。WiFiの性能も上位で、今回使用したBCM94360NGが5GHzで867Mbpsなのに対して、BCM943602BAEDは1300Mbpsの規格です。なので高速なのですが、価格は3倍程度です。また、今回のT460sもそうですが、M.2無線カードはアンテナ2本が一般的なようで、ノートPCやデスクトップマザーボードでもアンテナは2本しか用意されていない場合が多いです。3本目のアンテナを追加するのに苦労します。さらには、BCM943602BAEDは完全なOOB動作をしないです。WiFiはそのまま動きますが、Bluetoothを動かすためには、いくつかのkextを追加する必要があります。

ということで、互換性からも、アンテナの本数でも、さらにはコストパーフォマンスの点でも、M.2無線カードはBCM94360NGがおすすめだと思います。将来、マザーボードのM.2カードを交換するかもしれない時のために、予備を確保しておこうかと思っています。

まとめ

ThinkPad T460sにM.2無線カードであるBCM94360NGを取り付けました。今のところmacOSの全ての機能が問題なく動いています。ThinkPadのBIOS whitelist機能によりカード交換が拒絶されるのではという心配も無用でした。BCM94360NGはmacOS下でOOBで動く、互換性の高い唯一のM.2無線カードだと思います。

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