Big SurになってRadeon RX 5700 XTのGeekbench 5のスコアが格段に改善されました。RX 580と比較するとOpenCLもMetalも1.6倍くらい高いスコアでした。
Geekbench 5ベンチ結果
Catalina (10.15.5および10.15.6)とBig Sur (11.0.1) で、RX 580とRX 5700 XTのOpenCL/Metalスコアを計測しました。いずれもOpenCLとMetalのベンチマークを交互にそれぞれ3回測定し、その結果を平均したものです。測定に使用した本体は、ほぼZ490マザーボードに10900Kの構成ですが、Big SurでのRX 580の測定だけはZ390 + 9900Kの構成です。
Catalinaのスコアは以前の記事などで計測したものです。Catalinaだと、RX 5700 XTはRX 580に比べて同程度か、場合によっては劣っていることもありました。特にMetalの性能が弱い感じでした。本来なら古くて安価なRX 580よりも性能が高いはずなのですが、macOSのドライバの作り込みが不足しているようでした。
Big Surのパブリックベータが出ると状況は変わります。ベータのバージョンが進むたびに、RX 5700 XTのスコアが少しずつ改善されていきました。そして公開版11.0.1では、最後のベータ版からさらに改良されたようで、RX 580に圧倒的な差をつけてます。一方でRX 580は、Catalinaの頃とスコアがほとんど変わっていません。
ちなみに話題のM1のiGPUは、OpenCLが19000くらいのようです。Intel UHD Graphics 630が5000くらいでしたから、iGPUとしては頑張ってますが、ちゃんとしたグラフィックスカードには及ばないようです。
macOSでグラフィックス性能を求めるなら、RX 5700 XTが1番の選択肢と思います。また、他のNaviアーキテクチャのRX 5000シリーズも性能改善されているのではないかと思われます。RX 5000シリーズを使うためには、
- WhateverGreen.kext (グラフィックス関係のパッチ集)
- Lilu.kext (パッチを当てる機能を提供するkext)
を入れ、CloverやOpenCoreのブートオプションに、WhateverGreenに指示するオプションである、
agdpmod=pikera
を追加します。
Vega 64も性能向上
コメントでyoshiiさんから教えていただいた情報によるとVega 64でも17% ~ 19%くらい改善しているようです。
- MacOS 10.15 54050(OpenCL)/52086(Metal)
- MacOS 11 64061(OpenCL)/60921(Metal)