Z390チップセットの9900Kマシンは順調に動いているのですが、起動ドライブは手元にあった2.5 inch SSDを流用してました。これを今風のM.2 SSDに交換しました。
久々に最新パーツで組んでみたところ、macOSがすんなり動きました。インテルの第9世代CoreプロセッサCoffee Lake-S Refresh搭載のZ390チップセットマザーボードです。スロット数で選んだマザーボード最新パーツでHackintoshを作る上で、マザーボードは選択肢が豊富なパーツです。市販の300シリーズチップセット搭載マザーボードのほとんどでHackintosh可能です。拡張スロット構成、SATA/USB/m.2コネクタ構成、追加機能、色とデザインなど考慮して、各人の目的や好みに合わせて自由に選んで良いです。だいたいどれでもちゃんと動... 9900K搭載Z390マザーボードでHackintoshを作る - Boot macOS |
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ストレージ構成をどうするか
ATX基板を使っていますし、ケースはそれなりの大きなケースを考えているので、SATAケーブルで接続するドライブはいくつか使用するつもりです。大容量の3.5 inch HDDを2台くらいは使って、片方をデータの倉庫に、もう一方をTimeMahineのバックアップに使おうと考えています。Windowsは滅多に使わないのですが、気が変わってWindows用に2.5 inch SSDを一個くらい付けるかもしれません。
M.2 SSDは高速・小型なので、将来はM.2が主流になって、SATAケーブルで接続するドライブはマイナーな存在になると思います。ただ現状では、M.2 SSDは、割高ですし、体感速度で考えると2.5 inch SSDとそれほど違わないし、他のマシンやMacにつなぎ変えて動作を確認するなどの場面では取り外し・取り付けが面倒です。ということで、メインで作業するデータ領域(/Users)は、2.5 inch SSDにして、システム領域(/、/System、/Applications、/Libraryなど)だけをM.2 SSDにするのが良いと考えました。ということで、ゆくゆくは
- 250GB程度のシステム用(root用)M.2 SSD
- 1TB程度のデータ用(/Users)2.5 inch SSD
- 4TB程度のTimeMachine用3.5 inch HDD
- 4TB程度のデータ倉庫用3.5 inch HDD
の構成を考えています。
M.2 SSDを選定
そこで第一歩として、中小容量のシステム用M.2 SSDを物色しました。OSとアプリーケーションを入れるだけなら120GB程度でも十分な容量なのですが、SSDの構造上、容量が小さいと書き込み時間が遅くなります。120GBは製品もあまり多くないので、選択肢の多い250GBを選ぶことにしました。Hackintoshでは、SamsungのSSDがよく使われているようです。tonymacx86などでも実績があります。今回はいろいろ探して評判の良かったWestern DigitalのWD BLACK SN750を使うことにしました。カタログスペックでは、シーケンシャルRead:3,100MB/s、シーケンシャルWrite:1,600MB/sで高速です。以前使っていたSSDはコントローラがかなり高温になったものですが、この製品はそれほど発熱しないような気がします。
最近のSSDの低価格化に寄与している技術が、記憶セルあたりの情報量を増やす手法です。通常のメモリは、セルに電荷を貯める・貯めないの2状態で1ビットを記録します。貯める電荷量を、3段階にすれば、電荷が無い状態を含めて4状態になり、2ビット記録できます。記憶セルあたり1ビット記録する方式をSLC (シングルレベルセル)、2ビットをMLC (マルチ〜)と呼ぶようです。さらに8状態にして3ビット記録するTLC (トリプル〜)や、16状態にして4ビット記録するQLC (クアッドラプル〜)があるようです。セルあたりの記憶料を増やすことで、低価格なSSDが作れます。その一方で、速度や耐久性が弱くなると指摘されています。WD BLACK SN750はTLCのSSDのようです。(最初の記事ではSLCだと勘違いしていました。訂正します。)若干不安はありますが、ちゃんとした製品なので当然のことですが、何の問題もなく動いています。
マザーボードに取り付ける
ASUS MAXIMUS XI HEROにはSSD用に2個のM.2ソケットが用意されています。
マザーボードの中央、CPUの近くにあるM.2_1と、マザーボードの端にあるM.2_2です。それぞれ多少機能が違います。
- M.2_1はKey M, Type 2242/2260/2280のSSD用で、インタフェースはPCI Express 3.0 x4およびSATAに対応します。ただしSATA SSD取り付けた場合、SATA 6Gb/s 第 2ポート(SATA6G_2)は無効になります。
- M.2_1はKey M, Type 2242/2260/2280/22110のSSD用で、インタフェースはPCI Express 3.0 x4のみに対応します。
WD BLACK SN750は、2280のSSDでPCI Express 3.0 x4接続なので、どちらのソケットにも取り付けることができます。どちらでも良かったのですが、M.2_2の方を使うことにしました。というのは、M.2_1は、CPUに近くて、大きなCPUクーラを使用すると、取り付け・取り外し作業が困難です。また、M.2_2の方がより大型の22110対応なのでヒートシンクが大きく、多少は放熱性能が良いと考えたからです。
Hackintoshのインストール
すでに2.5 inch SSDでHackintoshが動いているので、この先の作業は簡単です。成功することが見えているようなものです。
- M.2 SSDをソケットに取り付ける
- 現在の2.5 inch SSDで起動してM.2 SSDをAPFSでフォーマットする
- App StoreからmacOS Mojaveインストール.appを入手する
- macOS Mojaveインストール.appを起動してM.2 SSDにmacOSをインストールする
(インストール中に2度ほど再起動しました。Cloverのドライブ選択画面でBoot macOS install from xxxx (M.2 SSDにつけた名前)が表示される間は、そのドライブを選びます。) - Cloverインストーラを起動してブートローダ類をM.2 SSDにインストールする
- config.plist, efi, kext類を2.5 inch SSDからM.2 SSDのESPにコピーする
今回は、何の問題もなくインストールできました。しかしMojaveになってからmacOSのインストールに失敗する場面が増えたように思います。どうしてもmacOSがインストールできない場合は、最後の手段として、M.2 SSDを本物のMacにUSB接続してインストールするのも良いと思います。その場合、M.2 SSDを2.5 inch SATAドライブのように変換してくれるアダプタがあると便利です。
macOSのインストールが終わったら、2.5 inch SSDのCloverからM.2のmacOSを起動します。macOSとしての設定を色々終了したら、CloverをM.2にインストールします。また、2.5 inch SSDのESPから、config.plistやkext類を、M.2のESPにコピーします。以上で、M.2 SSDに問題なく移行できました。