High SierraとMojaveで/System/Library/Extentions (/S/L/E) の中に含まれるkext類がどう違うのか、調べてみました。
High Sierra 10.13.6をクリーンインストールして、MojaveのPublic Beta 1と比較しました。/S/L/Eの内容をlsしてdiffで比較しました。High Sierra, Mojaveの順にdiff引数を指定したので、行頭に<がついているのがHigh Sierraにのみ存在するkext、行頭に>がついているのがMojaveにのみ存在するkextになります。
消えたkext
High SierraにあったけどMojaveでは消えてしまったkexta(アルファベット順)は、以下です。
$ diff HighSierra.text Mojave.text | grep "<" < AMD2400Controller.kext < AMD2600Controller.kext < AMD3800Controller.kext < AMD4600Controller.kext < AMD4800Controller.kext < AMD5000Controller.kext < AMD6000Controller.kext < AMDLegacyFramebuffer.kext < AMDLegacySupport.kext < AMDRadeonX3000.kext < AMDRadeonX3000GLDriver.bundle < ATIRadeonX2000.kext < ATIRadeonX2000GA.plugin < ATIRadeonX2000GLDriver.bundle < ATIRadeonX2000VADriver.bundle < AppleIntelHD3000Graphics.kext < AppleIntelHD3000GraphicsGA.plugin < AppleIntelHD3000GraphicsGLDriver.bundle < AppleIntelHD3000GraphicsVADriver.bundle < AppleIntelHDGraphics.kext < AppleIntelHDGraphicsFB.kext < AppleIntelHDGraphicsGA.plugin < AppleIntelHDGraphicsGLDriver.bundle < AppleIntelHDGraphicsVADriver.bundle < AppleIntelSNBGraphicsFB.kext < AppleIntelSNBVA.bundle < AppleTyMCEDriver.kext < GeForceGA.bundle < GeForceTesla.kext < GeForceTeslaGLDriver.bundle < GeForceTeslaVADriver.bundle < NVDANV50HalTesla.kext < NVDAResmanTesla.kext
最初の方を見ると、AMDの古いドライバがいくつか削除されたようです。Metalに対応していないグラフィックスカードのドライバと思われます。2400, 2600は2007-2008年代のiMacに搭載されたグラフィックスだと思われます。4600, 4800, 5000, 6000は、おそらくiMacや昔のタワー型Mac Proに搭載されたHD 4000/5000/6000シリーズに対応するドライバだと思われます。ただAMDRadeonX4000,5000,6000.kextはMojaveにも存在しているので、HD 4000/5000/6000シリーズはまだ使えるのかもしれません。
タワー型Mac ProにはPCIeスロットがありますが、Mac用のBIOSを搭載したカードでない場合には、起動時の表示が出ません。なので古いMac Proユーザはいまだに古いカードを使っていることも多いのですが、Mojaveでは使えなくなったようです。Hackintoshしている人がこのような古いAMDカードを使っていることは稀だと思いますので、影響は少ないと思われます。
次に、Intel HD Graphics 3000シリーズのドライバと思われるApple Intel HD3000 Graphicsで始まるkext類が削除されています。3000の前には、無印のIntel HD Graphicsという規格がありましたが、Mac製品には搭載されていません。なので、AppleIntelHDGraphicsで始まるkext類も同じく3000シリーズのものと思われます。また、AppleIntelSNBGraphicsで始まるkext類は、検索してみたら、SNBがSaNdy Bridgeの略だそうで、これも3000シリーズのものです。3000シリーズがMetal対応から外されたので、Sandy Bridgeを使っているHackintoshは、PCIeグラフィックスカードを利用するか、CPU/マザーボードアップグレードを検討すべきでしょう。
また、GeForceで始まるkext類も一部削除されています。Mojave対応機種がiMacではLate 2012だそうです。グラフィックスチップは、GT 640M, 650M, 660M, 675MX, 680MXのあたりなら対応しているようです。それ以前のGeForceのドライバが外されたのかもしれません。
グラフィックスドライバ以外では、AppleTyMCEDriver.kextが外されています。検索して見ると、これは ECCメモリに関連する何かのようです。
登場したkext
HighSierraには無くて、Mojaveで新しく登場したkextは以下の5個でした。よくわかりません、すみません。
$ diff HighSierra.text Mojave.text | grep ">" > AMDRadeonX6000HWServices.kext > AppleUSBCHCOM.kext > AppleUSBPLCOM.kext > AppleUSBRealtek8153Patcher.kext > CoreTrust.kext
ちなみにReltek 8153というのはUSB 3.0 – ギガビットEthernetのチップのようです。こんな製品で使われているようです。Appleブランドにはこのようなアダプタが無いので謎です。
/L/Eに置かれたkext
/Library/Extentionsに置かれたkextに変更はありませんでした。
ちなみに以下のkextが/L/Eに置かれています。CalDigitというのはThunderbolt接続周辺機器を作っている会社のようです。HighPointはRocketなんとかシリーズでPCIeスロット搭載RAIDアダプタなどを作っていますね。ATTOはネットワークカードなどを作っていて、Celerityは光ファイバーカードのようです。
ACS6x.kext ATTOCelerityFC8.kext ATTOExpressSASHBA2.kext ATTOExpressSASRAID2.kext ArcMSR.kext CalDigitHDProDrv.kext HighPointIOP.kext HighPointRR.kext PromiseSTEX.kext SoftRAID.kext