OpenCore 0.7.1から0.7.2に更新

OpenCoreの0.7.2が公開されたので0.7.1からアップデートしました。大きな変更は無いです。Montereyの起動で問題になっていたSecure Boot modelのデフォルト設定が変更されて、Monterey起動に対応したようです。新OS対応が進捗している様子です。

0.7.2をダウンロードする

公式のダウンロードページは以下です。Kext Updater.appがダウンロードしてくれる内容を使っても良いです。

OpenCore 0.7.2とmacOS 11.5.1で動作確認している手元のマシンは以下です。また、kext類はKext Updaterを使って最新版に入れ替えてあります。

  • ASUS Z390 ROG MAXIMUS XI HERO + 9900K + Radeon RX 580 + macOS Big Sur 11.5.1
  • ASRock Z590 Extreme + 10900K + Radeon 5700XT + macOS Big Sur 11.5.1

.efiファイルを差し替える

更新するためには、今までと同様に、X64の方のフォルダの中身を、現用のファイルと入れ替えます。入れ替えるべきファイルは、いつもの通り以下です。

  • EFI/BOOT/BOOTX64.efi
  • EFI/OC/OpenCore.efi
  • EFI/OC/Driversの中のうち、現在使用しているもの:手元のマシンでは、OpenCanopy.efiとOpenRuntime.efi
  • EFI/OC/Toolsの中のうち、現在使用しているもの:手元のマシンでは、OpenShell.efi

ACPIとKextsは、OpenCoreの範疇では無いので変更不要です。

config.plistを更新する

現在のconfig.plistをconfig_old.plistと改名し、配布パッケージに入っているsample.plistをコピーして持ってきて、これをconfig.plistにしました。PlistEDPlusを使って、双方を開いて、古いconfig.plistの項目をコピーする方針で、新しいconfig.plistを作りました。

config.plistで設定する項目の変更点は、以下の1箇所だけでした。

  • UEFI/AppleInputにGraphicsInputMirroringという項目が追加されていました。非Apple製のグラフィックUEFIアプリケーションにキーストロークが伝わらないことを改善したようです。例えば、WindowsのBitLockerを使う場合に影響が出るそうです。デフォルト値はfalseですが、説明書によるとtrueが推奨値らしいです。Sample.plistでもtrueになってました。macOSを使う限りはfalseでも問題なさそうですが、とりあえず推奨値のtrueに設定しておきました。

これで、0.7.1から0.7.2に移行できました。

SecureBootModelの設定

設定できる値

Apple Secure Bootの機能では、macOSを動かすMacのモデルでは無効な設定や、動かないmacOSバージョンのインストールを防ぐ働きをするようです。config.plistのMisc, Securityの中の SecureBootModelで、Macのモデル名の設定をします。ここで設定できる値は、OpenCoreのマニュアルによると以下です。

  • Default — Recent available model, currently set to x86legacy.
  • Disabled — No model, Secure Boot will be disabled.
  • j137 — iMacPro1,1 (December 2017). Minimum macOS 10.13.2 (17C2111)
  • j680 — MacBookPro15,1 (July 2018). Minimum macOS 10.13.6 (17G2112)
  • j132 — MacBookPro15,2 (July 2018). Minimum macOS 10.13.6 (17G2112)
  • j174 — Macmini8,1 (October 2018). Minimum macOS 10.14 (18A2063)
  • j140k — MacBookAir8,1 (October 2018). Minimum macOS 10.14.1 (18B2084)
  • j780 — MacBookPro15,3 (May 2019). Minimum macOS 10.14.5 (18F132)
  • j213 — MacBookPro15,4 (July 2019). Minimum macOS 10.14.5 (18F2058)
  • j140a — MacBookAir8,2 (July 2019). Minimum macOS 10.14.5 (18F2058)
  • j152f — MacBookPro16,1 (November 2019). Minimum macOS 10.15.1 (19B2093)
  • j160 — MacPro7,1 (December 2019). Minimum macOS 10.15.1 (19B88)
  • j230k — MacBookAir9,1 (March 2020). Minimum macOS 10.15.3 (19D2064)
  • j214k — MacBookPro16,2 (May 2020). Minimum macOS 10.15.4 (19E2269)
  • j223 — MacBookPro16,3 (May 2020). Minimum macOS 10.15.4 (19E2265)
  • j215 — MacBookPro16,4 (June 2020). Minimum macOS 10.15.5 (19F96)
  • j185 — iMac20,1 (August 2020). Minimum macOS 10.15.6 (19G2005)
  • j185f — iMac20,2 (August 2020). Minimum macOS 10.15.6 (19G2005)
  • x86legacy — Macs without T2 chip and VMs. Minimum macOS 11.0.1 (20B29)

このうちx86legacyはT2チップを搭載していないMacのための選択肢です。一方、jで始まる選択肢は、T2チップを搭載したMacに対応してます。以下のMacが該当します。

自作PCには当然ながらT2チップを搭載していないので、x86legacyの設定が良さそうです。ただし、x86legacyに設定するとmacOS 11.0.1以降のみしか起動しません。古いmacOSを使いたい場合は、SystemProductNameで設定したモデル名がT2搭載ならば、jから始まる選択肢を設定しても良いかと思います。11.0.1より古いmacOSをT2未搭載モデルで使いたい場合は、SecureBootModelをDisabledに設定すると良いです。DisabledにするとApple Secure Boot自体が無効になります。

SecureBootModelをDefaultにすると、一番無難な選択肢を選んでくれるようです。OpenCore 0.7.1では、Defaultにするとj137、すなわちiMacPro1,1に設定されていました。OpenCore 0.7.2では、Defaultにするとx86legacyに設定されるよう変更されました。

Montereyインストールの注意事項

OpenCore 0.7.1でMontereyのパブリクベータ版をインストールする際には、config.plistのSecureBootModelをDisabledに設定する必要がありました。SecureBootModelをT2チップ搭載Macに設定すると、インストール途中で起動を繰り返す状態になり、先に進みません。インストールが終了した後ならば、T2チップ搭載Macとして設定しても起動するようです。0.7.1でDefaultと設定すると(iMacPro1,1と設定され)インストール途中で再起動が繰り返され、先に進まなくなりました。0.7.2ではx86legacyに設定されたため、Defaultの設定でもインストール可能になりました。Defaultではなく、x86legacyに設定しても同じことなのでMontereyのインストールは可能です。おそらくは0.7.1でもx86legacyに設定すればMontereyのインストールが可能だったのではと思います。

Z590とZ390の設定

iMac20,1に設定してあるASRock Z590 Extreme + 10900Kマシンは、機種名に合わせて j185に設定してみました。j185に設定すると、Montereyのインストールは失敗しますが、インストールされたMontereyは起動します。なのでMontereyをインストールするときだけはx86legacyに設定する必要があります。

iMac19,1に設定してあるもう一台のZ390マシンは、T2チップ未搭載なのでDefaultにしておきました。現行のmacOSしか使わない予定なのもDefaultにした理由です。もしもこのマシンでmacOS 11.0.1より前のmacOSを起動したい場合は、Disabledに設定する必要があると思います。