Public Beta Programで配布されているmacOS Monterey 12.0 Beta(21A5294g)をダウンロードして、ASRock Z590 + 10900K + OpenCore 0.7.1で構成した自作PCにインストールしました。config.plistでSecureBootModeを無効に設定する必要がありました。新機能のAirPlayレシーバーが動作することを確認しました。
ダウンロード
Big Surを動かしているZ590マシンをPublic Beta Programに登録したところ、システム環境設定のソフトウェアアップデートにMontereyが現れました。サイズは11.73GBでした。
1時間弱でダウンロードは終了し、ダウンロード後にインストーラが起動します。それは中断します。するとApplicationフォルダにInstall macOS Monterey beta.app(日本語名はmacOS Montereyベータ版インストール.app)というアプリケーションができています。
インストール用USBメモリを作る
次に32GB容量のUSBメモリを用意しました。これをGUID, Mac OS拡張(ジャーナリング)でフォーマットし、ここではusbという名前をつけました。ターミナルでInstall macOS Monterey beta.appの場所にcdします。この中のContents/Resourcesの中に
% cd /Applications/Install\ macOS\ Monterey\ beta.app % cd Contents/Resources/
お馴染みのcreateinstallmediaコマンドがあります。オプションなしで起動すると、ヘルプが表示されます。
% ./createinstallmedia Usage: createinstallmedia --volume <path to volume to convert> Arguments --volume, A path to a volume that can be unmounted and erased to create the install media. --nointeraction, Erase the disk pointed to by volume without prompting for confirmation. --downloadassets, Download on-demand assets that may be required for installation. Example: createinstallmedia --volume /Volumes/Untitled This tool must be run as root.
downloadassetsはファームウェア関係のファイルをダウンロードする機能のようです。無効にしたところ、後の工程で失敗したので、有効にした方が良いようです。
% sudo ./createinstallmedia --volume /Volumes/usb --downloadassets
とタイプします。これで用意したusbメモリが初期化されて、そこにMontereyのインストーラが作られます。
インストール
Montereyを試すために、今まで使用していたBig Sur用のM.2 SSDに加えて、250GBのM.2 SSDを新たに追加しました。BIOS起動は、引き続きBig Sur用SSDのESPから行いました。ESP内のOpenCoreとkext類などは最新にしてあります。最新のOpenCore 0.7.1はMontereyにかなり対応しているようです。config.plistの設定は、Big Surと同じです。上で作成したインストール用USBメモリを挿して起動すると、OpenCoreの起動選択画面にUSBメモリのインストーラが現れました。
これを選択すると無事、インストーラが起動しました。インストーラの中でディスクユーティリティを起動して、新しく取り付けたM.2 SSDをGUID, APFSでフォーマットしておきます。次に、インストーラでMontereyのインストールを進めます。いつものようにUSBメモリからの作業が終了すると、再起動し、次にインストール先のSSDから起動します。
SecureBootModelを無効にする
ここまでは順調だったのですが、インストール先SSDからの起動途中で失敗して、再起動されるようになってしまいました。何度も何度も再起動が繰り返されます。USBインストーラを使わない方法(11.5の環境からMontereyインストーラを起動してSSDにインストール)を試みても、やはり再起動で失敗します。それで暫くつまづいていました。でも、これはよく知られた症状のようで、このサイトのフォーラムでも解決方法が紹介されています。灯台下暗しでした。(kgraphさん、ありがとうございました)
Montereyのインストール途中で再起動が繰り返される問題は、config.plistのMisc, Securityの中の SecureBootModelの設定をDisabledにすれば良いようです。今まではDefaultに設定していました。これで無事インストールが進み、Montereyが起動しました。起動のセキュリティが仕様変更されたか、もしくは厳しくなったようです。
追記:SecureBootModelがDefaultでも起動が可能
OpenCore 0.7.2からはSecureBootModelの設定がDefaultでも起動可能になったようです。以下をご覧ください。
AirPlayレシーバーが動く
Montereyの新機能にAirPlayレシーバーがあります。Montereyの英語ページで「AirPlay to Mac」という名前で紹介されている機能です。ちなみに日本語ページでは「MacにAirPlayを」です。これで他のApple製品から音楽や動画をMacで再生できます。今まで、HomePodやAppleTVでできていた機能が、Macでも可能になりました。
MontereyでAirPlayレシーバーを動かすためには、本物のMacやM1のセキュリティチップが必要なのではという推測もありましたが、自作PCでも動きました。おそらくは他のiOS連携機能と同じく、無線モジュールが純正に近い必要があるのかもしれません。試したマシンでは、BCM94360NGを使用してます。
Montereyの「システム環境設定」から、「共有」を選ぶと選択肢の中に「AirPlayレシーバー」が新たに現れています。これを選択して、一番緩い設定の「すべての人」にAirPlayを許可しました。ベータ版の利用規定の関係でスクリーンショットは省略します。
これでiPhoneなどから動画などをhackintoshに映し出すことが可能になりました。また、MacBookなどから接続すれば、外部ディスプレイのようにも設定できます。画面のミラーリングもできるし、2番目のサブスクリーンにもなります。ただし、コンテンツ保護には元々対応させていなかったので、Amazon Primeビデオなどは表示できませんでした。WhateverGreen.kextなどの設定を頑張ってコンテンツ保護に対応すれば対処できるのかもしれません。YouTube動画などは問題なく表示されました。