「Hackintoshは最初は動いてもmacOSのアップデートのたびに大変なトラブルに陥る」というイメージがあるかもしれません。Apple社がちゃんとサポートしてくれている実機に比べたら面倒なのは確かですが、それほど変わらないと思います。macOSが好きで、動かないコンピュータを動かすことが趣味な人間が言うことですので、あまり当てにはなりませんが、
マイナーアップデートは楽勝
です。例えば10.13.1から10.13.2へのアップデートのように、年に数回行われるマイナーアップデートは実機と同じくらいのお手軽さです。少なくともここ2-3年の状況では、Cloverとkextを最新に保っておけば、App Storeからのアップデートをそのまま受け入れて、macOSアップデートしてもまず問題は起こりません。
NVIDIAのグラフィックスカードでWeb driverを使っている人は、新しいmacOSに対応したドライバが配布されるまで高解像度表示ができなくなるかもしれません。でもNVIDIAの対応はいつも敏速で、ほぼ24時間以内に新しいドライバを配布しています。Mac Proのユーザも多いのでしょうが、Hackintoshユーザからしたらありがたいメーカーです。
メジャーアップデートは少し大変
ここのところ年に一度、9月にあるメジャーアプデート(例えば10.12から10.13へのアップデート)は少し面倒な作業が伴います。それも年に一度のお祭りとして楽しんでいただければ良いと思います。
最近の出来事ですと、10.11でUSBの個数制限が行われて使用可能なUSBポートの数が、 コントローラ当たり15までと制限されました。この制限を解除したり、制限の枠の中で使用するポートを指定する作業が必要でした。
10.11ではSIPも導入されました。/S/L/Eや/L/Eにkextを置く場合ではSIPを無効にする設定が必要になりました。バニラなインストールをすればSIPはデフォルトでも大丈夫です。
10.13ではAPFSが導入され、実機でファームウェアアップデートが行われました。それに合わせて、HackintoshでもSMBIOSの変更が必要でした。APFSボリュームから起動するためにはドライバも入れておかねばなりません。
このようにメジャーアップデートでは予期しない課題が発生する可能性がありますので、古いmacOSはそのまま残して、予備のSSD/HDDにシステムを作って動作を確認した方が良いと思います。パブリックベータが配布されている時期か試しておけば、正式リリースの時にいち早く導入できるかと思います。
アップデートは面倒なことだけではなく、新しいCPUへの対応、NVMe SSDの対応、ビデオカードの対応など、新しい技術の恩恵にあずかれるチャンスですので、積極的に受け入れていきたいと思います。
10.13.2へのマイナーアップデートで躓く
マイナーアップデートは楽勝と書きましたが、最近、躓いたことを書いておきます。メインで使用しているHackintoshで10.13.1から10.13.2へのアップデートをしたのですが、これはApp Storeからのダウンロードだけで簡単に終了しました。10.13.2でスリープが効かなくなったとかの噂も聞くのですが、全く問題ありません。
ところが、サブで使っているマシンでアップデートしようとしたら、インストールのための再起動で失敗しました。Boot macOS Install from xxxxが選択された、起動しようとするところで失敗し、再び再起動を無限に繰り返すようになりました。
たまにしか使わないサブのマシンでしたので、しばらくはあきらめて10.13.1の古いままで使っていました。このところ時間もできたのでじっくりと原因を探して見たら、なんとkextの一つ、Lilu.kextが古いだけでした。Lilu.kextは10.13.2のベータ版に合わせて11月上旬に1.2.1に更新されています。メインのマシンでは早々と更新していたのですが、サブマシンでは1.2.0のままでした。とほほな単純ミスでした。
ということで、最初にも書きましたが、Cloverとkext類は最新に保っておきましょう。