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Clover UEFI Bootloader
Hackintoshする方法はいくつかありますが、現在、一番ポピュラーなのは、Cloverブートローダを使う方法です。Cloverの本体は、コンピュータが起動した時に真っ先にブートされるBOOTX64.efiというファイルです(UEFI起動の場合)。
検索すると、tonymacx86サイトで配布しているUniBeastとかMultiBeastを使った方法が多数見つかりますが、これらもCloverを使っています。MutliBeastは、Cloverをインストールして、kextをインストールして、Cloverの設定をメニュー形式で行ってくれるツールなのです。
その大元の、Cloverにもインストーラはあり、Cloverの動作に最低限必要なファイルをインストールする機能があります。設定ファイルのカスタマイズや、kextファイルのインストールはやってくれません。しかし、そういう作業はインストーラ任せにしないで、手動で行った方が、システム構成を把握できます。その結果、トラブルにも対応できるようになります。なので、Cloverのインストーラを使う方法をお勧めします。
この記事では、Cloverのインストーラでカスタムインストールする方法を説明します。
インストール先の指定
デフォルトでは以下のような設定になります。以前にCloverをインストールしたことがあるボリュームを対象とした場合は、最後に指定した設定が表示されます。
最初に、ドライブのどこにインストールするかを決めます。デフォルトのBootloaderというメニューでは、MBRのある昔ながらのBIOS方式がデフォルトです。ここは是非、Cloverの強みが活かせるUEFIブートにしておきましょう。また、EFI System Pertition (ESP)にインストールするよう選択しておきましょう。バニラなインストールが可能になります。
テーマなんて飾りです
テーマは、Cloverの起動ドライブ選択画面のデザインを変えるところです。指定しなくても良いですが、インストールするドライブごとに違うテーマを指定しておくと、どれで起動したかがわかって役に立ちます。テーマは、いろいろな人がデザインして配布しています。好きなものを選ぶと良いです。こんなシンプルなのはいかがでしょう。
Drivers64UEFI
次に選択すべきはDrivers64UEFIの中身です。ここには、OSが起動する前の、UEFIの環境で動作するプログラムが並んでいます。ここにリストされている以外の、必須のプログラムは、ここでの選択とは別に、自動的にCloverのディレクトリに入ります。
選んでおかねばならない一つは、メモリーを確保する際に生じる問題を修正するドライバです。これらのドライバは、macOSが起動する初期段階で、カーネルを読み込む前に動作します。正しく機能しないと、Couldn’t allocate runtime areaというエラーを出して停止してしまいます。選択肢は、
- AptioMemoryFix.efi
- OsxAptioFix3Drv-64.efi
- OsxAptioFix2Drv-64.efi
- OsxAptioFixDrv-64.efi
- OsxLowMemFixDrv-64.efi
です。必要なのは、このうちの1つだけです。このリストの複数を選択してはいけません。番号は、推奨する順番です。この順番に入れてみて、ちゃんと起動すればそれを使うのが良いです。できれば1か2が望ましいです。Clover開発チームのSliceさんによる説明が、こちらにあります。
それによると:
- OsxAptioFixDrv-64.efi と OsxAptioFix2Drv-64.efi は、Clover 4368 以前に作られて、NVRAMサポートしていません。歴史的経緯で残されています。高位アドレスにワープしたメモリマップでは、OsxAptioFixDrv-64.efiだけが動くこともあります。
- OsxAptioFix2Drv-64.efi は、メモリブロックの配置変えを行わない機能削減バージョンです。いくつかのハードウェアや古いOSバージョンでは動かないかもしれません。しかし、OsxAptioFixDrv-64.efiに比べると、こちらはハイバーネーションをサポートしています。
- OsxAptioFix3Drv.efi は、Cloer 4369でOsxAptioFix2Drv-64.efiから改変されたバージョンです。これはNVRAMをサポートします。Clover 4379ではランタイムの不具合が解消されました。Clover開発チームは今後、このバージョンだけを改良していきます。
- AptioMemoryFix-64.efi は、サードパーティメモリ修正ドライバをそのまま使っています。そのため、色々手を加えているOsxAptioFix*Drv-64.efiシリーズよりもたぶん優れています。まずは、AptioMemoryFix.efiが動くかどうかを試すべきです。
- OsxLowMemFixDrv-64.efi は、やはりメモリ修正ドライバですが、Clover 608から改良されていません。
ということで、動くならばAptioMemoryFix-64.efi が一番のおすすめのようです。また、ごく一部のマザーボードは、上記のいずれもダメで、 OsxAptioFix2Drv-free2000.efi が必要な場合もあります。
この他、マザーボードによっては、EmuVariableUefi-64も必要になります。MacintoshにはNVRAMがあって電源をoffにしても一部の設定が保存されています。同様の仕組みはUEFIマザーボードにもあります。ただ、それがうまく動かない場合があります。EmuVariableUefi-64はNVRAM機能をエミュレートしてくれるプログラムです。
他は非選択でok
他の項目は大体非選択で大丈夫です。「Clover環境設定をインストール」は、システム環境設定にCloverの項目を入れてくれるオプションです。Cloverのアップデートチェックをしてくれるので、チェックを入れておいても良いかと思います。
インストール後のディレクトリ構成
最終的には、以下のようなディレクトリ構造がESPに作られます。ここでは、Cloverインストーラがインストールしたefiファイルに加えて、High Sierraで必要になったAPFSブートのためのefi, aps.efiが追加されています。また、OsxAptioFix2Drv-64の代わりにOsxAptioFix2Drv-free2000がインストールされています。