Kabylake(200シリーズチップセット)でHackintoshするなら、どのメーカのマザーボードが良いのかについて、Hackintosher.comに記事があります。4大メーカーを使ってみての感想とのことで、参考になるかと思います。結論は、
- ASRock
- ASUS
- Gigabyte
- MSI
の順番だそうです。
世の中一般のイメージでは、ASUSはシェアが高くて安心だけど作りの割には値段が高い、Gigabyteは堅牢、ASRockは変わった(変態な)製品を作っていたけど最近は安くて品質が良い、というようなイメージかなと思います。一方で、Hackintoshに限ると、Gigabyteが古くから互換性が高いと言われていました。ただ、UEFIになってからは、あまり違いはないようです。
一方でHackintosher.comでは、上記のようなランキングがされました。気になったので読んでみました。オリジナルのページには、それぞれのマザーボードで自作した記事へのリンクもありますので、参考にしてください。
————以下Hackintosher.comの抄訳です———-
ハイエンドなマザーボードでは、オーディオやLANのチップセットに標準ではない高価なチップを使うこともあります。その場合は、Hackintoshが難しくなることもあります。逆に、ローエンドなマザーボードでは、Hackintoshの問題は発生しないです。
- 例えば、MSIのB250はHackintoshが全く問題なく動きますが、CarbonシリーズではUSBの問題が発生します。
- ASRockでは、Fatal1tyシリーズではランダムにリセットする問題が発生しましたが、安価なモデルでは発生しませんでした。
- GigabyteではゲーミングシリーズでCPU周りの部品が鳴く問題がありましたが、Ultra Durableシリーズでは問題ありませんでした。
- ASUSは例外で、ROG Strixシリーズでも問題ありませんでした。ただ、もっと高価なROG HEROボードではオーディオの問題を解決できませんでした。
なので、$200を超えるようなハイエンドなマザーボードは避けて、$200以下の中堅または廉価版マザーボードにこだわるのが良いです。
またマザーボードメーカによって、それぞれ強みや問題があることに気づきました。以下でそれをまとめてみます。
Table of Contents
第1位はASRock
ASRockのマザーボードは、Hackintoshを作る際の互換性問題を解決する手間が一番少ないです。しかもASUSよりコスパが良いです。
ある時Z270 Fata1tyのHackintoshが見ていない間に再起動する問題に遭遇しました。原因は不明ですがそれ以降発生していません。ASRock H270-ITX/AC + Intel Pentium G4560で作ったHackintoshでは何の問題も発生していません。
利点
- 200シリーズマザーボードはGigabyteと同様に簡単だけど、Gigabyteで経験するような品質の問題は無いです。
- 200シリーズASRockマザーボードでスリープの問題は無いです。
- USBポートの問題が無いです。
欠点
- 特定のBIOSバージョン(例えばP2.10) でスリープ後のUSB認識問題が発生しますが、それ以外のバージョンでは問題無いです。
使用上の注意
- BIOS version P2.10を避けてP1.20またはP2.20以降を使うと良いです。
- RAMを一本だけ使うなら、内側のスロットを使うとKPを避けられます。
第2位はASUS
私の経験では、ASUSのZ270は、Z170 ATX Proより良いです。ASUS ROG Strix Z270I ITXで自作した記事を書いています。200シリーズASUSの唯一の問題は、スリープ後にオーディオが途切れることです。これはいつでも起こることではなくて、30回に一回程度です。これの解決方法についてはHackintosher.comの記事をみてください。
利点
- 自動スリープはとてもよく機能します。
- オーディオ問題を解決すれば問題なく安定します。
- darkwake設定はデフォルトのままで良いです。
- HWMonitorでCPUコアの電圧が見られます
- 内蔵GPUも外部GPUも同じconfig.plistとBIOS設定で使えます。
- USBポートも問題ありません。
欠点
- 強制的に再起動したり電源を切ると次の軌道でBIOS画面になります。これがちょっと面倒です。
- 私のところだけだと思いますが部品鳴きがします。
使用上の注意
- スリープ後のオーディオの問題は本ブログのガイドを見てください。
- オーディオを動かすためにはlayout id 7にします。
- 終了したいのに再起動してしまうときには、FixShutdown_0004をtrueに設定します。
第3位はGigabyte
Gigabyteは長らくHackintoshでオススメのブランドでした。LGA 1511チップセット以来、すべてのブランドが簡単になりました。でも、私の経験では、config.plistの一つのフラグをセットしないとスリープの後に再起動してしまいます。
私の経験では、複数のGigabyteマザーボードに大きな問題がありました。それはkernel_taskです。アクティビティモニターを起動して、Diskタブを選ぶと、その中にkernel_taskがあります。通常は、今ASUSで試したところ、1GB程度の書き込みバイト数です。しかしZ270 Gigabyte Gamingマザーボードでは70, 100, さらには200GBにもなることがあります。主にSierraの10.12.4でこの問題を経験して、それでGigabyteを止めてしまいました。もしかしたら新しいmacOSバージョンでは治っているのかもしれません。
もう一つの、でもこちらは対応可能なトラブルは、Gigabyte Hackintoshがスリープの時に再起動してしまう問題です。EFIのAPPLEフォルダを消すと、治りました。
これ以外に、Hackintoshとは関係ないけど、品質の問題もありました。部品鳴き、Ethernetの不調、グラフィックスの問題、CMOSクリアしないといけない状況になってしまった問題などです。
利点
- 一旦動けば信頼できるブランドです。
- HWMonitorでCPUコア電圧が見られます。
- 安価なマザーボードが用意されています。
- darkwake設定はデフォルトのままで良いです。
欠点
- kernel_taskの書き込みバイト数が大きくなり、遅延が発生します。再起動をしないと治せません。
- 自動スリープは、時々動きません。なのでマニュアルでスリープしないといけないです。
- 特定のBIOSバージョンではmacOSインストールが困難です。(例えばVersion F2)
- スリープ中にUSBデバイスを抜くとブラックスクリーンの状態で起動し、しばらくすると再起動してしまいます。
- USB3.1 Gen2にデバイスを刺すと無線デバイスに干渉します。
- なんどもCMOSリセットする必要があるかもしれません。
- 私の経験ではGigabyte’s Z270 Gaming マザーボードで部品鳴きしました。
- 特定のバージョンのLilu.kext と AppleALC.kext でオーディオが出なかったりブラックスクリーンになります。
使用上の注意
- シャットダウンしたのに再起動してしまうときはconfig.plistのFixShutdownで直します。
- ゲーミングシリーズマザーボードでは、EFI検出問題を解決するためにK4もしくはそれ以降のBIOSを使います。
- スリープ後で再起動してしまう場合には、EFIのAPPLEフォルダを消します。
- NVIDIAのグラフィックスカードを使う時にはEmuUEFIVariable.efiを使います。
第4位はMSI
MSIマザーボードは、Hackintoshするのに割とよくて、Gigabyteで経験したような問題もありませんでした。でもKernel_task問題はCarbonシリーズで1回以上ありました。が、それより安いBazookaシリーズでは発生していません。
MSIマザーボードの問題は、USBです。USB-Cや3.1ポートにUSBメモリを挿した状態で、スリープさせて回復させると、USBメモリがイジェクトされます。またこれらが挿入されると、無線に干渉して、M705無線マウスが遅延します。
起動時やスリープ回復時に、Cooler Master Mechanical KeyboardやSandisk Cruserフラッシュドライブが認識されません。認識させるためには挿し直す必要があります。入れ以外のキーボードやフラッシュドライブではこの不具合を経験していません。USB検出の問題は、macOSの互換性とは関係ないと思われます。
Chromeのタブをたくさん開いていると、スリープの邪魔をすることがあります。
中級もしくはハイエンドのMSI Z270マザーボードはOsxAptioFix2Drv-free2000.efiが必要です。
訳注:ASUSやMSIのマザーボードでOsxAptioFix2Drv-free2000.efiが必要だった時期がありましたが、いまは、AptioMemoryFix.efiやOsxAptioFix3Drv-64.efiで安定に動いています。
私の経験では、安いB250mマザーボードは、高価なCarbonシリーズに比べて、より問題なく動きました。
利点
- 内蔵、外付けの両方のグラフィックスに同じconfig.plistを使える
- 安いMSIマザボはスムーズにHackintoshできる。
欠点
- Gigabyteと比べたらずっと少ないけど、kernel_task問題が発生します。
- スリープさせようとするとChromeで保存ダイアログが出ます。
- USB3.1 Gen2 Type A/Type CにUSBメモリを挿しておくと、スリープ回復時にイジェクトされます。
- USB3.1 Gen2ポートは無線に干渉します。
- 特定のUSBデバイスは起動やスリープ回復時に認識されません。
使用上の注意
- 最新のBIOSにアップデートしましょう。
- 特定のマザボにはOsxAptioFix2Drv-free2000.efiを使いましょう。
訳注:多分AptioMemoryFix.efiやOsxAptioFix3Drv-64.efiで良いはずです。 - RAMを1本だけ使うなら、KPを避けるために一番内側のスロットを使いましょう。
- USB/Keyboard/Mouseでスリープ回復させるならBIOSでwakeさせるよう設定しましょう。
- config.plistのBootでdarkwake = 8と設定しましょう。
- スリープ回復や起動で音が出ない、もしくは音量が低いなら、CodecCommander.kextを追加しましょう。B250マザーボードでは、起動・スリープ回復時にACL887オーディオで音が出ない、もしくは音量が低い問題を解決するために、CodecCommander.kextの使用とdarkwake = 8の設定が必要です。
————Hackintosher.comの抄訳は以上です———-
感想文
紹介されたトラブルは、Hackintoshの問題というよりも、一般的な問題が多いような気がしました。製品の当たり外れや部品の相性もありそうです。でも、たくさんのマザーボードを試した結果で、ASRockがおすすめとのことなので、品質が良いと言えるのかもしれません。
以前の記事でも紹介しましたが最近は、MSIが色々気に入って使っています。
80シリーズチップセット以前はHackintoshに最適と言われていたGigabyteをずっと使ってきました。90シリーズでMSIを使ってみたら、問題なく稼働しただけでなく、ファンコントロールやGO2BIOS機能が便利で、BIOS設定メニューもわかりやすかったです。UEFIマザーボードでは、Gigabyteにこだわらなくても良いことを実感しました。その後、100シリーズでASUSを使ってみたら、これも問題なく使えたのですが、基板が紙のように薄くてバックパネル近辺が曲がっていました。そこそこの価格帯の製品だったのですが、ASUSは全体に価格が高いので、ケチってはいけないようです。BIOSメニューがわかりにくかったこともあり、200シリーズではMSIに戻りました。
100のASUSと200のMSIでは、OsxAptioFix2Drv-64.efiが動かず、OsxAptioFix2Drv-free2000.efiが必要でした。OsxAptioFix3Drv-64.efiが出たところで試したら、これが動きました。また、もっとバニラなAptioMemoryFix.efiも動きましたので、最初からこれを試すべきだったかもしれません。なので、OsxAptioFix2Drv-free2000.efiの件は、今は気にする必要はないです。
とはいえ次回、Cannonlakeで自作するときは、ASRockも試してみようという気になりました。