今までCloverのインストーラとは別に、MultiBeastというインストールツールを提供して来たtonymacx86のサイトで、新たにCloverインストーラを提供するようになったようです。
CloverのインストーラとMultiBeastの違いを簡単にまとめておきます:
- Cloverというのはブートローダで、Clover本体のブートローダプログラムファイルと、機能を分担したドライバーのファイルと、設定ファイルconfig.plist、ブート画面のデザインthemeなどのファイルから構成されています。これらを然るべき場所にインストールしてくれるのがおなじみのCloverインストーラです。
- MultiBeastというのは、オリジナルのCloverインストーラがやる作業に加えて、主にtonymacx86での推奨PC構成を動かすためのkextの追加、kextへのパッチ当て、config.plistの設定をやってくれます。
tonymacx86の上記のアナウンスによると、tonymacx86では、MultiBeastとは別に、もう一つのCloverインストーラを配布することにしたようです。Cloverのバージョンアップに素早く追随するのが目的とのことです。ダウンロード先は、以下です。MultiBeast, UniBeastなどと同じく、ユーザ登録してログインしないとダウンロードできません。
何をやってくれるのか調べるために、このページのClover UEFI Boot Mode v2.4k r4411を実際にダウンロードして、空いているUSBメモリにインストールしてみました。このページの説明と、実際にインストールされた内容をみるに、以下のことをやってくれるようです。
- Cloverの標準インストーラがやってくれる作業をする。
- OsxAptioFix3Drv-64.efiをインストールする。ただしこれは、Cloverの標準インストーラでも可能です。
- apfs.efiをインストールしてくれる。本体が10.13の場合に本体からコピーするようです。
- tonymacx86推奨PC構成用のconfig.plistをインストールする。とはいえ、SMBIOSの設定はほとんど空白です。ちなみにMultiBeastだと指定したMac機種名に合わせてSMBIOSを作成してくれます。
- kextのインストールはしない。Cloverの標準インストーラと同じです。
- themeにtonymacx86のテーマを入れてくれます。
MultiBeastと違ってkextを入れてくれないので、Cloverの標準インストーラと同じく、これだけで起動するドライブを作ることはできないようです。config.plistがシンプルでメンテナンスしやすい内容になってくれるのはありがたいかもです。apfs.efiを入れてくれるのも面倒が少ないかも。しかし、Cloverの標準インストーラにあるカスタマイズ機能はありません。
MultiBeastでインストールした人が、Cloverを最新版にアップデートするために使うツールなのかもしれません。でも、それならCloverの標準インストーラで十分ではと思いました。