Liluとプラグイン:(3) AirportBrcmFixupなどの使い方

Lilu.kextとLiluプラグイン.kextを設定するためのとても詳細なガイドがtonymacx86にありましたのご紹介します。今回はAirportBrcmFixupとその他のkextの部分の抄訳です。原文は下のリンクを見てください。

Liluの開発にも携わっているjaymonkeyさんが書いてくださったガイドです。かなり長いです。前回は、WhatEverGreenとAppleALCを紹介しました。

(ここから抄訳)


AirportBrcmFixup

このプラグインの使い方は簡単です。これは、ネイティブまたは非ネイティブなBroadcom Airport WiFiカードに必要なパッチのセットを含んでいます。これによりcontinuityやhandoffを動かすこと, WiFiの名前をAirportデバイスと表示すること、そのほかいくつかのパッチを提供します。(訳注:日本語版macOSでは登録商標の関係でAirportではなくAirMacになります)他のLiluプラグインと同じく、大抵の場合、それまで試用していた全てのWiFi関係のパッチとエネーブラーkextを取り除いておく必要があります。このプラグインを使う理由の一つは、これがmacOS 10.13.Xと10.14.XでHandoffを有効にするCloverのパッチを使わなくて済む点です。このkextが自動的にWiFiデバイスを発見できれば、必要なすべてのパッチを当ててくれるので、Device Propertyを設定する必要はありません。

もし、インストールされたWiFiアダプターのVIDとPIDが不明ならば、Hackintoolを使って、デバイスを特定し、PCIアイコンをクリックして、リストの中からWiFiデバイスを発見して、VID (Vendor ID) とPID (Device ID) を知ることができます。

上の例では、WiFiデバイスのVIDは14E4 (Broadcom社のIDです) であり、PIDは43BA (BCM43602チップセット)です。

WiFiデバイスがサポートされているのかどうかは、Git-Hubプロジェクトページのinfo.plistを見て、そこでWiFiデバイスのPIDを探せば確認できます。

もしこのリストにVIDとPIDがあればokです。単にAirporBrcmFixup(とLilu)をインストールするだけです。

必要ならばmacOSのWiFi地域設定を書き換えることもできます。起動オプションに

brcmfx-country=XX

を追加します。これによりWiFiデバイスの国コードを明示的に設定することができます。(訳注:日本に設定するのでしたらbrcmfx-country=JPです)5GHz WiFiを稼働させたり、WiFiルーターをフルスピードで稼働させる場合、国コード設定が必要なことが時々あります。一般的な値は

brcmfx-country=#a

です。これはルーターが設定する国コードを無視するようにmacOSに指示する特別な値です。私のルーターでは、どのバージョンのmacOSでも、#aを付けないと5GHz WiFiの最大速度が得られませんでした。

注意: AirportBrcmFixupは、WiFiのことだけの面倒を見てくれます。Bluetoothを有効にするためには、RehabManさんのBrcmPatchRAMを使います。(訳注:コメントで指摘いただきましたがこちらもご覧ください。そちらのread meを見たら、アップル純正無線カードには関係のないようでした。)

私は、 DW1830 (BCM43602) 搭載ラップトップでAirportBrcmFixupをテストしました。また、BCM943602CS搭載のデスクトップでも使いました。とてもよく動作し、他のパッチもエネーブラーも不要です。

その他のLiluプラグイン

以下は、有用なLiluプラグインのリストです。ほとんどは、/L/Eに入れるだけです(訳注:ESPのkexts/Otherで良いと思います)。追加の設定は不要です。

VirtualSMC

Apple SMC (System Management Controller) を有効にするプラグインです。以前はFakeSMCを使うのが一般的でしたが、長らくアップデートされていません。環境によりますが、VirtualSMCは現在と未来のmacOSでより互換性があります。

FakeSMCからVirtualSMCに移行するためには、FakeSMC.kextを取り除くだけでなく、EFIドライバーのSMCHelper.efiも取り除きます。また、FakeSMCセンサープラグインも取り除きます。

VirtualSMCをインストールするには、VirtualSMC.kextの他に、VirtualSMC.efiもUEFIドライバーとしてインストールします。VirtualSMCの配布パッケージには、この他、光センサー、バッテリーモニター、CPU温度モニターやマザーボードセンサなどのプラグインkextも用意されています。詳しくはこちらをご覧ください。

BT4LEContiunityFixup

AirportBrcmFixupを入れてもなおBluetooth関連のcontinuity問題(AirDrop, Handoff, FaceTime, Apple Watch, Continuity など)が発生するようでしたら、BT4LEContinuityFixup を試してみるもの良いです。macOSのBluetooth LE Continuityを有効にするパッチが含まれています。 BrcmPatchRAM kextも一緒に使ってください。

HibernationFixup

その名の通り、HibernationFixup.kextはディスクにデータを保存するハイバーネーションモード3と25を特定のシステムで有効にします。私は使ったことがないのですが、これが動いたという報告は多数あります。ネイティブなNVRAMが使えることが条件です。エミュレートされたNVRAMでは使えません。

NoTouchID

最近のMacBookシリーズSMBIOS設定はアップルの指紋認証(TouchID)搭載機種を対象としています。これらのSMBIOSをHackintoshで使用すると、起動時とシステムパスワードを表示する場面で遅延が発生します。というのは指紋認証デバイスが搭載されていないからです。NoTouchIDプラグインは、この問題を解決します。

NightShiftUnlocker

デフォルトではアップルのnight shiftは一部のSMBIOSでしか機能しません。この簡単なプラグインは、通常はnight shiftをサポートしていない機種設定でも、有効にします。

5件のコメント

  1. typoっぽいので
    その他のLuluプラグイン → その他のLiluプラグイン

  2. ども、Boot macOSさん

    >Bluetoothを有効にするためには、RehabManさんのBrcmPatchRAMを使います。
    今(Catalina以降?)は、必要によりacidantheraさんの方のBrcmPatchRAM3.kextが使う必要がありますね?

    Install one of BrcmPatchRAM.kext or BrcmPatchRAM2.kext or BrcmPatchRAM3.kext depending on macOS version, never both.

    BrcmPatchRAM.kext: for 10.10 or earlier.
    BrcmPatchRAM2.kext: for 10.11 or later.
    BrcmPatchRAM3.kext: for 10.15.
    https://github.com/acidanthera/BrcmPatchRAM/releases

    RehabManさんは最近表にでていらっしゃらない感じですから、忙しいのか引退されたのかちょっときになったりしますね。。。

    1. いつも有用な情報ありがとうございます。この箇所は、他と同じく原文に書いてあったのでそのまま書きました。なので実はあまり理解していない上、BrcmPatchRAM自体を使っていなかったのでどういう効果があるか不思議に思っていました。
      情報いただいて、配布されているreadmeを見たら、「BroadcomのUSB Bluetoothデバイスに、コンピュータの起動時やスリープ復帰時にファームウェアアップデートを当てる」という機能なんですね。USBドングル専用ということかな?Apple純正のBluetoothには関係無い様子でした。

      1. >USBドングル専用ということかな?
        Apple非純正Wi-Fi内蔵のBluetoothとかUSB Bluetoothドングル(Broadcom系)とかでBrcmPatchRAMが必要になります。DW1550 Azurewave broadcom BCM94352HMBとかThinkpad X2●0のドングルとかで使わないといけなくなる代物です。。。

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